もう一つ、パリからキンシャサ間の飛行機から見えた地上の景色について、どうしても書いておきたいことがありまして。もう一度、1月1日に時計の針を戻します。
1月1日AM10:55 パリ発エアフランス便に乗り込む。パリは雨。気温5度とか6度とか。
北緯49度。AM11:30 機体は離陸。
パリ上空は厚い雲に覆われていた。ずっと雲が地上の景色を阻んで見せてくれない。
ところが南フランスのところで突然、雲のじゅうたんが消えた!!
地中海沿岸は太陽サンサン!!
娘の夫が英国の会社勤務なのにロンドンでもパリでもなく地中海沿岸に住んでいるのは温暖で太陽あふれる地中海の気候の中で暮らしたいから、という理由がよく理解できる。
PM12:30 地中海へ出る。太陽いっぱいの天国のような世界が広がる。
PM13:15 アフリカ大陸上空に突入。アルジェリアのアルジェの町かな。
ようこそ、アフリカ!・・あれ?違うな。
おひさしぶり、アフリカ!!
大陸入ってすぐは山岳風景。右手にはアトラス山脈。てっぺんに雪を頂いた山々も見える。
ほどなく土漠風景に変わってゆく。
そしてさらさら砂漠へ。
一眠りして、窓から見下ろすと、きれいな一面の砂地の世界になっていた。PM2:30。
昼間のサハラ砂漠は灼熱の空間だ。
PM3:30 一面さらさらの砂地の風景が続く。雲なんかかけらも、ない!
サハラ砂漠上空はいつも機体が大きく揺れるが、やっぱりシートベルト着用サインが点灯。
PM4:00 パリからの距離3700kmの表示。
高いところにうっすらだが雲が出てきた。一面、まだ砂地。機内もむっと暑い。
なんと巨大なサハラ砂漠!!
そろそろ緑の熱帯雨林の風景になるかと思っていたら、下界は厚い雲に見事に隠されてしまっている。
いつもだったら、ブロッコリーのようなジャングルに蛇行した川が見え、ワニがあんぐり口を開けてそらおいで!!と私たちを見上げているかのような深い緑の熱帯林が横たわっているはずなのに。
現在、雨季だと聞いた。
PM6:00過ぎ 静かに赤道通過。機内アナウンスも、客席からの拍手もない。
ひとり赤道の向こうに沈む夕日をまぶしく(!)見つめていたら、お隣のおじさんから「窓閉めろぃ」!
おじさんの顔に当たらない程度に窓をちょい開けして、赤道の夕日をPM6:15日没まで見つめ続ける。
機体が高度を下げ続け、厚い雲の下まで降りてきたとき、キンシャサの町が顔を現す。
暗闇に広がる熱帯雨林の町。コンゴ川の側に広がった町。
ところどころに町の明かりが見え隠れしている。
PM6:50 キンシャサへランディング。
南緯4度19分30秒。気温28℃との機内アナウンス。
樺太と同じ緯度である北緯49度のパリから、フランスの国を縦断し地中海を経てアフリカ大陸へ。山岳地帯から土漠へ、そしてサハラ砂漠を越えて熱帯雨林に入り、赤道を越えてたどり着いたコンゴ民主共和国、キンシャサの町。
パリ→キンシャサ間、6100km。
およそ7.5時間のフライト中、地球が見せてくれるパノラマ飛行は、どんなフィルムより見ごたえがある。
ワクワクするな~♪♪♪
返信削除hiroさんのワクワク感が伝わってくるばかりでなく、
わたしまでその光景を目にしているような気分になりました。
『太陽がいっぱい』という映画がありましたが、この邦題は地中海を舞台にした映画にぴったりだったということですね。hiroさんの言葉に、頭の中でぴたりとパズルがはまったように感じました。
町の明かり、家々の明かり、そのひとつひとつにそれぞれの生活があって…という話をご出発前にしましたね。
コンゴの町の明かりはどんなふうなのでしょう。
わたしが思い出したのは、タイの田舎のつつましくほの暗い明かり…暗いのにどこか人のあたたかみが感じられた明かりです。
それにしても、地球は大きいのですね。よく伝わってきました。日本はこんなに寒いのに、同じ時間に30度近い気温の国が存在するのはほんとうだったんだ!と、子どものように感動を新たにしています。
飛行機が無事着陸して思わず歓声をあげたくなるわたしたちと、飛行機の着陸も美しい夕日も日々の生活の一部としてただ静かに受け止める人たち…。
土地もさまざま、人もさまざま。
その多様性のおもしろさ。
hiroさんの瑞々しい文章に魅了されています。
本をたくさん、しかも深く読んでこられた方にはかなわないなと思います。
これからも楽しみにしています!
わたしのこころも一緒に旅させてください。
「窓閉めろぃ」って言われても、こっそり窓を開けて景色を覗きこんでる姿、鮮明に想像できてしまいます。笑
返信削除私もいつしかまたアフリカ大陸に足を踏み入れる時は、同じような光景を窓から眺めたいな。