2012年1月10日火曜日

向かい合う二つの首都

わたしたち家族が中央アフリカにいた1992年の12月。
首都バンギの空港からブラザビル経由でケニア旅行をしたときのこと。
当時運航していたAir Afriqueでバンギから赤道を越えて南南西に1時間足らずでコンゴ共和国(旧・フランス領コンゴ)の首都ブラザビルに到着した。そのときは夜中で、空港で3,4時間待ってEthiopien airに乗り換えただけだった。

そしてナイロビからの帰路、5歳の息子がマラリアを発症し、ブラザビルのホテルに入って1泊したのだった。マラリア薬を服用して症状が落ち着き、ホテル近くの中華レストランで夫が事情を話して料理をテイクアウトして来た。一息ついてホテルの窓から飛び込んできた景色に目を奪われた。
ブラザビルの町から雄大なコンゴ川の向こう岸に蜃気楼のようにふ~っと霞んで見えた大都会。
こんなアフリカ大陸の奥地にビルが林立する大都会が存在していること自体が奇跡のように思えた。
それが初めて見たキンシャサの町だった。

コンゴ共和国(旧 仏領コンゴ)の首都ブラザビル(西岸)と、コンゴ民主共和国(旧 ベルギー領コンゴ、後にザイール)の首都キンシャサ(東岸)。
この二つの首都がコンゴ川を挟んで両岸に位置し、肉眼で見えるのだ。
隣り合う国の首都同士がこんなに近接しているのは世界でここだけだと思う。

キンシャサ中心街のビルの上階の「マンダリン」という中華レストランの窓から、夜のコンゴ川風景が望めた。真っ暗なコンゴ川の向こうにささやかにまたたく町の灯り。キンシャサと比べるとこぢんまりしたブラザビルの町が確かに存在していた。きっと、キンシャサ直陸寸前の飛行機のわたしの座席からも見えていたはずだ。

そして、今日昼間、キンシャサ側から対岸のブラザビルを見た。
わたしの視野に一面、茶色く濁ってとうとうと流れるコンゴ川が入ってきてその向こうに濃い緑が見え、高いビルこそ見えないが、確かに発展するブラザビルがあった。

コンゴ川上流からキンシャサあるいはブラザビルまで河川での運搬運航が可能で、コンゴ盆地各地からコンゴ川を通って物資が集散される河港として両首都は栄えてきたのだそうだ。
両首都から下流に存在するリビングストン滝を迂回するため、キンシャサからはマタディ・キンシャサ鉄道によって河港マタディへ、またブラザビルからはコンゴ・オセアン鉄道によって海港ポアント・ノアールへと運ばれるという。(wikipedia)
確かにキンシャサ市内には鉄道の中央駅があり、確実に老朽化しているが鉄道が存在する。現在どのくらい鉄道が活躍しているかはわからないが、キンシャサもブラザビルも河川交通網の結節点として重要な役割を持つ都市なのだと理解できる。

ブラザビル←→キンシャサ間の川の距離4km。ジェットフェリーで10分ほどなのだと聞いた。
この二つの都市で大都市圏を形成し、両都市はお互いに活発な経済活動で結びついているそうだ。
人口は圏内で約900万人とか。カイロ(エジプト)、ラゴス(ナイジェリア)に次ぐアフリカ第3位なのだそうだ。

2 件のコメント:

  1. 年賀状をありがとうございます(^0^)
    コンゴにいらっしゃるなんて、なんだか嘘みたいです。行ったことがないからですね。
    息子の受験が終わり、入学いたしましたら、息子と行ってみたいです。いつが一番良いシーズンでしょう?
    コンゴ日記を楽しみにいたしますね♪

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    1. キンシャサの一番良い季節は7月、8月と聞きます。日本ではちょうど学校の夏休みの時期ですね。ぜひ遊びにいらしてください。
      教えていただいた、この国の少年兵のことをわたしはずっと考えています。

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