2012年4月27日金曜日

日常生活いろいろ・4月

 4月も終わりに近づいた。
キンシャサの雨季も終盤だ。今朝から重たい雲が空いっぱいに広がっている。ちょっと高めの湿度を感じる。昼12時半の我が家のリビングの温度計は、28℃。
日中の雨はそんなにないが、夜、外がピカピカ光っているのに気づいて耳をそばだてると雨の音に気づいたりする。

4月は水や電気のトラブルにストレスが溜まったが、夫の会社の若者が出張でキンシャサに来て、ゴルフ場のあるキンシャサ・クラブにクスクス料理を食べに行った。ちょうど、”キンシャサ・テニス・オープン”開催ウィークで、遠くに試合の歓声を聞きながらのクラブ敷地内での夜の食事は気温も下がり心地良いものだった。

上の写真は暗いが、実際はテニスコートも照明もしっかり整備されたコートだ。午前中まで雨が降っていたとは思えない。観戦客も多く、コンゴの各地方から集まった選手の熱戦に歓声を挙げて応援していた。わたしにとっての初めての生のテニス観戦は迫力があった。

水道水の一件はどうにか片付いた、と思ったら、今度は、水道蛇口の栓のパッキンが磨耗したのか、くるくる空回りして、水の開閉が不自由な状態だ。
1ヶ月前に水道蛇口全体を替えたばかりだというのに。メイドのフロランスは、だからシノワのものは嫌いだ、と豪語する。
”シノワ”、”chinois”。「中国の、中国人(語)の」という意味で、「(人が)気難しい、口うるさい、(物が)七面倒な、訳が分からない」という意味もあるらしい。大文字だと、「中国人」。
この国は、しっかり中国からの援助の道路、信号機、政府建物などをプレゼントされているのに、コンゴ人の「シノワ、シノワ」と侮蔑した言い方をよく耳にする。壊れると、そら、シノワのものだからだと言う。
街角やスーパーで、わたしは時々「Chinoise ! 」、中国人!、と吐き捨てるような言い方をされる。
日本の婦人で、日の丸バッジをバッグに付けて買物に出る、とも聞く。

市内には、中華料理店が数件あり、中国人は本当に多い。それでも、わたしが入っているIWC
(International Women's Club)に中国人の会員はいないと言ってよい。わたしが知っている限り、夫が米大使館勤務の夫妻で中国系アメリカ人だという女性、夫がイタリア人、伊大使館勤務の香港人の女性はメンバーだが。

割の合わない中国人たちだが、コンゴ人たちは中国人の商売の仕方、ここの国に埋蔵する資源の採掘権を狙っていることなどを承知しているのだな、と思ってしまう。

水道の話に戻るが、近々また水道蛇口全体を替えることになるのだろう。とても水道修理人だとは信じられない、よれよれのボロボロの姿のおじさんがまたやってくるのかな。でも、一生懸命取り付けて、きれいなフランス語の領収書を残して帰って行ったおじさんではあったけど。

さて、たくさんの雨のお蔭で、こんなに緑が豊かなキンシャサだ。
これは、毎週楽しませてもらうゴルフ場の緑。

下の写真は、我が家のダイニングのベランダからの風景だ。
水道水のトラブルも一段落した。トラブルの間、夫が、「最近、"To~Fu~♪" の音が聞こえないなあ。」と言っていたのが、昨日からまた、"To~Fu~♪"が始まったのだ!

"To~Fu~♪” とは、ベランダの水道管から聴こえる音だ。その音が、わたしたちが小さい頃によく聴いていた豆腐屋のおじさんの吹くラッパの音色にそっくりなのだ。
初めて聴いたとき、幼い頃の記憶が蘇って、気分はすっかり当時に戻ってしまった。
キンシャサの夕空に響く、"To~Fu~♪"の音色は、心底、郷愁をそそる。

今日は、午後からフランス語のレッスンだ。コンゴ人の女性の先生が我が家に来てくれる。1時間15米ドルの約束で、週3時間のレッスンを受けるから、週末に45米ドルを払うのだが、まだ習い始めて2ヶ月にもならないのに、交通費がかかるから値上げして欲しい、と言ってきた。
この先生は教養のある人だから、一般のコンゴ人とは違うと信じていたのに、やっぱりあなたもコンゴの人だったのね、とショックだった。彼女は、米大使館員家族に仏語レッスンをしていて、一括して米大使館から給料としてもらっているようだ。1時間のプライベートレッスンに対して15米ドルという金額は高いほうだと聞く。
夫と話してみますと言ってわたしは逃げたが、今日はその返事をしなければならない。授業料を上げることはできない、としっかり伝えなくては。たったそれだけなのに、何だか気が重い。

メイドのフロランスは元気がない。運転手をする夫が給料日に1ヶ月分の給料と運転免許証を盗まれ、生活費を取られた上に運転免許証が再交付されるまで仕事ができなくなったそうだ。
一昨日の給料日に、フロランスにお金を渡した時、わたしは、盗まれないように気をつけなさいと言ったのだった。
「マダムはわたしに、取られないように注意しなさい、と言ったでしょう。わたしはしっかり仕舞ったのに、夫はズボンのポケットに入れて盗まれたのよ!」と嘆いていた。

いろいろなことが起こる、キンシャサ生活。いつか、笑い話に変わるのだろうか。

0 件のコメント:

コメントを投稿