2012年3月24日土曜日

キンシャサにたくましく生きる日本の学生たち

 ・・・・・日本からの学生4人(左端は夫、右から二番目はWFPキンシャサ事務所勤務の友人)・・・・・

昨夜、WFPキンシャサ事務所に勤務する友人が、キンシャサに長期滞在中の日本の学生さん4人を引き連れて我が家にやって来た。

彼らは、慶応大学環境情報学部のゼミの教授の指導の下、大学を休学して、あるいは大学院に在学しながら(1人は早稲田大学を昨春卒業して)キンシャサ市内のコンゴ教員大学(ISP)で日本語をコンゴの人たちに教える目的でキンシャサに来ている青年たちだ。
この写真のかれらのはじけるような笑顔を見ると、かれらがたくましく充実した生活を送っているだろうことが伺える。
かれらは、コンゴ教員大学の学生寮に滞在しているそうだ。4人同室で台所はあるものの、ある時、水道が壊れ部屋が浸水。以来、水道を潰して自炊ができない状態で生活していると聞いた。
食事は、「大学前の路上でパンとかを買って食べているんです。」・・・聞くも哀れな、というか、たくましい”青春inキンシャサ物語”だ。
でも、かれらにはしっかりした将来の目標があるから実に前向きだ!

日本語教師の立場から見えてくる言語習得過程を研究課題にする。
あるいはコンゴ文化(ここは古くから王国が林立していて部族固有の文化は大変興味深い。)を探求すべくコンゴ河(全長4370kmはアフリカ第2位)船の旅を計画する。日本語教師として広がった人脈で、地方出身の日本語生徒たちの実家を拠点にできる。
外務省入省を目指し、将来またアフリカに戻って活躍する足がかりとする。
アフリカの大都市キンシャサで起業する米国人に就いてビジネスの勉強をする。
フリスビー競技(競技名?はて?)をこの国に普及すべく体育管轄の省庁と接触し、講習会を開催する。
色んな目標がそれぞれにあるんだなあとわたしまで夢心地になる。
彼らはISP(コンゴ教員大学)で日本語を毎日、午前中も午後も教えながら、現地の人々と同レベルの生活をし、だからこそ見えてくるこの国の本当の姿、だからこそ培える人脈、コミュニケーション力を体得し、将来の目標に繋げているのだなあ、と感動した。
彼らの日本語講座の生徒の8割がたはISPの学生だということだ。
働きながら日本語講座を受講したい人のために土日も授業をしているとも聞いた。

なるほど。彼らの日本語講座でキンシャサにも日本語が徐々に広まっているのかもしれない。
ボボト文化センターの学芸員っぽい青年からも日本語の挨拶をされたし、街のスーパーストアの駐車場でも日本語で「こんにちは」と若者から挨拶されたし。もしかしたら、かれらの日本語の生徒たちかな。今度、訊いてみよう。
ここの国の人たちにとって日本語の発音は容易なようだ、とかれらは話していた。

かれら、慶応大学環境情報学部の学生達が取り組むキンシャサでのプロジェクトは、”ACADEX"
といい、3つの活動の内容が含まれている。
ひとつは、ISPでの日本語を教授する場の提供。
二つ目は、日本文化センターの設立。草の根無償援助の対象として在キンシャサ日本大使館に申請が認められたそうだ。ISPの敷地に年内には完成し、武道場も設置されるようだ。
三つ目は、キンシャサ郊外、キンボンド地区の小学校の建設。
慶応大学にキンボンド出身の教授がいて、現在もその教授の、80歳を超えてなお元気に大工として活躍する父親がキンボンドに在住。そこに2008年から毎夏、慶応大学で建築を勉強する学生が滞在し、彼らの建築学教授の指導を仰ぎながら、提供された土地に現地の建築資材を使って建設。すでに小学校校舎3棟が完成。屋根には太陽光パネルが取り付けられ、インターネットなどの電源は太陽光利用でまかなわれているそうだ。
小学校建設プロジェクト紹介のビデオを観たが、一棟ずつ分かれて建つ教室のデザインがすべて異なり、とってもモダンで開放的だ。赤レンガやセメント、トタン板といった現地調達の資材を使用しつつも、色んな形の屋根組みや窓枠・扉枠に木材を利用しているのが目を引いた。また、木製の机や椅子もシンプルなデザインだ。こんな学校で学べる生徒たちは幸せだなと思う。実際、どの生徒もきちんとした身なりで、明るい表情をしている。
授業時間は、7:30~12:00まで。この小学校は、サイモン教授が経営する私立小学校という位置づけで、3ヶ月毎に支払う授業料は24米ドル。これは公立小学校より若干安いのだそうだ。
すでに小学校の生徒たちは100人を超えたという。

かれらのキンシャサ・プロジェクト展開のきっかけは、この国出身の教授が大学にいたこと。そのネットワークを活かして計画を推進する実行力のある指導教官がいて、それに参加しようという強い意志の若者がいたことで、ぐるぐると勢い良くプロジェクトの歯車が動き出したのだ。
学生時代に、机上の空論ではなく実際のプロジェクト稼動を経験することは自信にも繋がる。
もちろん辛いこともあることと思う。マラリアに罹患し大変な思いをした青年もいる。
それでも!この笑顔!
事故と病気に気をつけて、将来を見据えて大きく成長していってほしい。
Bon courage !!

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