2012年3月20日火曜日

コンゴ郵便局事情

車内から撮った写真なのでぼけていて申し訳ない。上の写真のクリーム色の建物が、キンシャサの郵便局本局だ。キンシャサのメインストリートである6月30日通りに面していて市内中心部に建っている。そして、本局正面に赤と青の小型トラックが停車しているが、その赤い部分に「EMS」と書かれている。建物はぼろぼろだけど、大きな看板を掲げ、EMSと書かれた運搬車が停まっている様子から、「なんだ、郵便局は機能してるんじゃない!!」と思われるかもしれない。
ところが、この本局は全く機能していないということだ。

20年前の中央アフリカ共和国も公務員の給料遅配で公共機関の機能が麻痺していた。首都のバンギの郵便局本局で手紙を出しても届かないから、パリに向けて出発する飛行機便がある日に飛行場の郵便局に持っていき、援助を受けて発行しているという美しい切手を受付で買って郵便局員に手渡すという手間をかけたらほとんどの手紙が届いていた。しかし海外からの手紙は私書箱を持っていればほぼ間違いなく届いていた。小包は中身を抜き取られたりして届かないことのほうが多かったけれど。

キンシャサではどうかというと、手紙は出せない、飛行場の郵便局から出そうとしても届かない、さらには私書箱を持っていても郵便物が届きもしない!、と聞いた。
全く郵便局が機能していないというのだ。

・・・と諦めていたら、最近になってンガリエマの修道院の中村寛子シスターから、ゴンベ地区の郵便局の私書箱を持っていると必ず海外からの手紙などの郵便物は届きますよ、と聞いた。ただし、キンシャサから手紙を出しても届かないし、第一封筒に切手を貼るスペースが足りないくらいたくさんの切手を貼らないとなりませんよ、とも言われた。

手紙を送れなくても、受け取れるだけでも嬉しいなと思って、私書箱を持つべく、今日シスターにゴンベ地区郵便局へ案内していただいた。シスターの顔で郵便局で強力な効果を持つことができた。
ゴンベ地区には、外国人が多く住み、大使館も多いから、しっかり私書箱を管理しておけば、手紙を受け取れる郵便局として噂が広まり、私書箱の使用料が安定的に(外国人は3カ月毎に支払う私書箱使用料を滞納することなく払うそうだ。)入ってくる、と郵便局員も理解しているのだそうだ。
本局の局員が妬むくらい、ゴンベ地区の私書箱はしっかり機能していて局員は給料を貰えている(多分、独自に)から、さらにしっかり私書箱が管理され、外国人居住地域だから3ヵ月毎の私書箱使用料も安定して入金される、という好循環と好環境の相互作用でうまく機能している、とはシスターの話だ。

私書箱の初回登録料+3ヶ月使用料で25000CF(コンゴフラン)。鍵代+何か(忘れた!)で13000CF。初回だけ38000CF(単純計算で3800円くらい)を払い、以降は3ヶ月毎に24000CFだか21000CFを払えば、私書箱で手紙がほぼ確実に受け取れるとは本当に嬉しい。ゴンベ地区の郵便局限定ということだけど。

さて。ここでこの国の通貨の話。
以前にも書いたが、コンゴの通過は米ドルとコンゴフランの2本立て。コンゴフランは500CF札が通貨紙幣の最高額だから、38000CFを500CF紙幣で払うとなると76枚も要る。それは不可能だから、米ドルで支払うことになるのだが、そこのところがくせものなのだ。
例えば、コンゴでの通貨米ドルは最小5米ドル~最大100米ドルなので、もし「2米ドルです。」と店の人が言うと、1米ドル=1000CFと換算して、「はい、2000CFいただきます。」この額を支払うことになる。
ところが、今日など、500CF札が76枚もないから、「米ドルで支払いたいのですが。」というと、アチラは勝手に1米ドル=900CFの換金率にして、「38000CF」を「42米ドルです。」と言ってきた。
それでわたしが50米ドルを渡すと、”2米ドル札”が流通していないから、「2000CFください。そうしたら10米ドルのおつりをあげます。」と郵便局員は言って、今度は、1米ドル=1000CFに戻った換金率で要求するのだ。
ついでに言ってしまうと、スーパーマーケットのレシートはすべてコンゴフラン表示だ。米ドルで払ってコンゴフランでおつりをもらうときなど、損してるんだろうなあ、と思ってしまう。こういうとき、煙にまかれたような気持ちになり、さっさと換金計算をするコンゴ人って絶対ずるいぞ!!と思う。てきぱき計算できない我が頭を呪うところだ。本当にややこしい。

3ヵ月後の私書箱使用料支払いの時までには、絶対に500CFを42枚か48枚分を貯めておくぞー!!と強く思う。今日、払った42米ドルなんて、1米ドル=85円で換算しても3570円なんだけど。

ということで、めでたく 私書箱”B.P.3118” を獲得!
これから、「B.P.3118 Kinshasa R.D.CONGO」これでお便りをいただけるとうれしいです。

さて、ゴンベ地区郵便局には、奥の事務室に今日の手続きをしてくれた局員のおじさんが1人。
そして、入り口に私服でたむろ(?)していた4人のマダム。その5人しか見かけなかった。
以前、わたしが中村シスターに、コンゴの切手がほしいと伝えていて、それをここの郵便局員のマダムが覚えていて、コンゴの切手を見るか、と訊ねてきた。見せてもらうと、何と2種類しかない。鷲のような鳥の切手とカビラ現大統領の切手と。それで、鳥の切手を1シート買った。
1枚70CF×15枚=1050CF。おお!根性で財布に1050CFがあった。
ちなみにと、シスターがフランスまで郵便料金いくらなの、と訊くと、「2750CF」なのだそうだ。単純計算で280円くらいか。絶対フランスまで届くはずのない手紙に今日買った鷲もどきの切手を貼ろうとすると・・・
なんと!!40枚貼らないといけなくなる。やっぱり、シスターの言われるとおり、封筒に40枚も切手を貼るスペースなんてない!!
ザイール時代の切手をいつも行くスーパーのカウンターで見つけて(コレクションとして)買ったのだが、本当に多種類あり、どれもきれいな切手だ。


お面、建築物、滝、動物などの図柄が美しい。どれにも、「ZAIRE」と印刷されている。

ところが、現在、ゴンベ地区郵便局にあった切手は2種類だけ。

下の切手が、今日わたしが買った切手のシートだ。

切手の上と下に黒く塗りつぶされている箇所があるのに気づかれたと思う。上の黒いところには、太字の「ZAIRE」の文字が、下の黒い部分には「50000NZ」の文字が消され、それぞれに黒字で下部に「REP.DEM.DU CONGO」(コンゴ民主共和国の意)、「70FC」と訂正されている。ザイール国としての最後の切手だったのだろう。

”NZ”はおそらくザイール時代の通貨単位だ。上の写真で動物の切手に”150NZ"、”350NZ"、

”500NZ”と印刷されたのがわかるが、ザイール時代、物価が末期には100倍、200倍、300倍・・とつり上がっていったのがうかがえる。


さて、娘が先月末にフランスから、ここのアパートの住所で手紙を郵送したらしいのだが、それをシスターに話したら、まず届くことはないだろうということだった。シスターが以前、ゴンベ地区郵便局でお手伝いをされたことがあったそうで、その時、B.P.番号ではなく、住所で郵便局に届いた手紙の束が大量にあり、行く先不明で放置されていたそうだ。

娘の手紙が今日使用許可をもらった”B.P.3118”に運良く入ることを願うのみだ。

4 件のコメント:

  1. 12月にパリで投函された絵葉書が3月になって届きました。郵便も少しずつ改善/復興してきているようです。清水

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  2. もしや、同じアパートの方でしょうか。うれしい情報をありがとうございます。
    パリで投函された葉書は、B.P.ナンバーの住所ですよね。
    パリからだと、キンシャサに届きやすいということを聞いています。

    わが娘が南仏から投函した葉書にはアパートの住所を書いたと言います。
    ゴンベの郵便局長に、娘が南仏から投函した葉書にはアパートの住所を書いていたこと、投函した日付のこと、などを説明したところ、娘の葉書を見つけ次第我が家のB.P.ナンバーに入れてくれる約束をしましたが、まだ届きません。
    キンシャサの住所でゴンベ郵便局に届いた、行く宛てのない手紙が束になって見捨てられていました。郵便局の本来の機能が復活することを願ってやみません。

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  3. 隣人です。
    BPではなくて(私持っていません)、
    「数字、通り名、Gombe、Kinshasa、RD Congo」で着きました。

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  4. わあ~!それは本当にすごいです。
    シスターにもお話しなくちゃ!
    ありがとうございます!

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