昨日、午前8時半頃、キンシャサ市内のゴルフ場に夫と車で向かう途中、キンシャサの街のメインストリート、6月30日通り路上で大きな爆発音が聞こえた。
わたしは乗っている車がパンクしたのかと思った。と、その途端、運転手イーッグが何か口走ったかと思うと、車を突然Uターンさせて逆方向に走り始めた。夫が運転手にどうしたのかと聞くと、大砲の発砲音だから直ちに家に戻ったほうがいいと言っている。今の発砲音は2度目だ、と平静を装いながらも不安を隠しきれない運転手の様子にわたしの中にも不安が急激に広がっていった。
夫は、ゴルフ場のすぐ近くまで来ているし、日本人仲間もいるはずだからゴルフ場へ行くように、と指示している。大通りから右折すると、現地の人たちが数名単位で集まって爆発音の方を見ながら不安そうに話してる光景があちこちで見える。
ゴルフ場に着いて、ゴルフ客たちも落ち着かない様子だ。
それぞれが携帯で連絡を取り合っている。様子がわかるまでむやみに動き回らず待機しているのが賢明だと話している。
大使館員、国連平和維持軍などの関係者もゴルフ客の中にいるようだ。誰もがせわしなく携帯で話している。
待っている間にも、爆発音が何度か響き渡り、その音の正体がわかるまでは、皆、不安そうにしていた。そのうちに、日本大使館、JICAから連絡が入り始める。
ブラザビルの弾薬庫が爆発している。キンシャサの反乱軍の戦闘でもブラザビルからの攻撃でもないので、キンシャサの街は異状なし。落ち着いてその場にとどまるように。
その情報が確実なものか、詳しい情報を待った。
やはり、ブラザビルの弾薬庫の爆発で、戦闘を意味するものではないとのこと。
直ちにテレビ、ラジオでキンシャサ住民に向けて真実が伝えられ、戦闘的なものではないので落ち着いて対処するようにという呼びかけが流れたそうだ。
夫の運転手も爆発音を大砲の発砲音だと思って、咄嗟に車をUターンさせたくらいだ。キンシャサの人々には、市街戦の記憶が生々しく残っているのだ。戦闘ではないので慌てないように、という報道でどれだけの住民が安心したことだろう。
ゴルフ場では、そんなに大きな爆風も感じなかったが、今日になって、ブラザビルの対岸となるコンゴ川に面している建物のガラスが風圧で割れる被害があちこちで聞かれた。
昨日は、爆発音が午後2時くらいまで十回近く聞こえていたように思う。
その頃、コンゴ川からブラザビルを見渡せる建物の7階に上って見渡すと、黒煙が2箇所から立ち上っているのが見えた。
”日常”のすぐ傍に横たわる”非日常”の存在をいつも感じて生きている、政情不安定な国に暮らす人々の心情を見た1日だった。
無事で良かったです。
返信削除日本でも心配しました。
チェロ子