2013年12月9日月曜日

きのこの季節、再び

ゴルフ場フェアウェイににょきにょきと生えてきた白きのこ

一昨日、金曜日夜から翌日の昼過ぎまで降り続けた雨。
その雨の影響でコースコンディションが悪くなり、土曜日のコンペは中止になった。

そして、今日12月8日、日曜日。
ザーザーと降り続けた雨だったから、今朝から青空の広がる暑い一日となった。
そんな中で、クラブ企画のゴルフコンペが行われた。

プレイの最中、先週までは見かけなかった白きのこがゴルフ場フェアウェイのあちこちに顔を出しているのに気づく。この雨ですっかり元気付いてにょきにょきと伸びてきたのかな。
前回の雨季以来、数ヶ月ぶりの再会だ。

さっそくいつものキャディがビニル袋いっぱい入れて、売りに来た。
10cm×15cmのビニル袋一杯で500コンゴフラン(約55円)。

この白きのこ、美味しいのだけど、丈が4cmほどと短くて、地面近くに生えるせいか、やたらに砂や芝生がくっついている。
何度も何度もしつこいくらいに水を替えて洗って、しっかりと砂を洗い流さないと砂やゴミが残ったりする。せっかくの美味しいきのこ料理を味わっていて、ジャリっと砂を噛んだ触感と音を聞くと食欲が一気に失せてしまうから要注意だ。


洗面器一杯に採取された白きのこ


洗面器一杯の白きのこを抱えて売りに来るキャディ


丈4cmほどの白きのこを洗面器一杯になるまで採取するのに、どれほどの根気がいることだろう。
ゴルフ場のキャディには、充分有り余るほどの時間が取れそうなのだ。


キンシャサの”キャディ”という仕事を考えてみよう。
ゴルフ場は土日こそゴルフ客で賑わうが、平日はマダムたちがちらほらとプレイをするくらいだ。
今日のコンペでは、4人グループで18ホールの各ホールから一斉スタートして、参加者一人にキャディが一人ずつ付いていたから、4人×18ホール=72、少なくとも80人はキャディがいると考えられる。

そのキャディたちのうち、平日に他の仕事に就いているのは、片手で数えるほどしかいない、と言うのだ。
キャディとして一回18ホール回ると、10米ドル稼げる。
顧客が毎週土日にプレイしたとしても、単純計算で一ヶ月に80~90米ドルしか稼げないことになる。

キンシャサで一家4人で一ヶ月に100米ドルあれば、どうにか食べていける、とも聞く。
それに、マーケットマミーと呼ばれて、女性たちが市場で物を売ったりして一家の重要な働き手になっているとも聞く。(アフリカの女性たちは本当にたくましいと感じる。)
そう考えると、キャディの月に稼ぐ80米ドルとか90米ドルという金額は、決して少なくはなのかもしれない。

でも、と考える。
欧米人たちは、4月のパック(復活祭)休暇、夏休暇、クリスマス休暇で本国に戻ったり、旅行に出たりする。その時期のゴルフ場は、プレイ人口が減って、土日でもゆったりとプレイが出来るものだ。
そんな休暇シーズンに入ると、キャディとしてさっぱり稼げなくなるのは想像に難くない。


キャディたちの生活を想像すると「待ちぼうけ」の歌を思い出す。
ウィークディには、プレイ客をひたすら待つキャディたち。
だったら煙草代稼ぎに、きのこ狩りでもしましょうか、となるキャディがいるのも想像できる。
時間はたっぷりあるのだから、地道にきのこ狩りができる、というわけだ。

でも、白きのこを売りに来るキャディさん、ってこの上の写真のおじさんしかいないように思うのだけど。

ひたすら、待ちぼ~け♪、待ちぼ~け♪のウィークディや休暇シーズンを送るキャディたちと、雨季にしか姿を現さないこののんびりニョッキリの白きのこの姿とがだんだん重なってきてしまうのだった。


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