2013年6月29日土曜日

キンシャサの寿司宅配店

5月の初め頃だったか、自身も料理の名人で食べることの大好きなヘーアイチュさんが、
「キンシャサでとうとうにぎりが食べられるのよ。ほら、このパンフレット!」

かのじょから渡された寿司宅配店、”GEKKO'S”のパンフレットがこれだった。


キンシャサの寿司宅配店のパンフレット

かのじょは早速、電話注文して試してみたのだそうだ。
かのじょの夫はフランス人だから、きっと味にうるさいはずだ。
その二人が、美味しかった!、と及第点をつけた。

かのじょが言うには、キンシャサのスーパーに毎週金曜日朝にフレッシュサーモン、まぐろがヨーロッパから入荷してくるらしい。
だから、このGEKKO'Sに、金曜の夜か、土曜の夜に注文すれば美味しい新鮮なにぎりが食べられるのだそうだ。

さらに言うには、ここの経営者は、レバノン人女性で、かのじょの兄弟がキンシャサの大きな銀行の(経営者?)関係者だからバックボーンもしっかりしている、宅配店を軌道に乗せたらレストランも開店予定だ、とどこから聞いてきたのか、そんな情報も教えてくれた。

そして、キンシャサの情報ニュースメイルの”BizCongo”にも、最近、GEKKO'Sの宣伝広告が載った。


話は逸れるが、今週の火曜日に、キンシャサでの友人がナイロビに転出するというので、我が家でかのじょの送別ランチを開いた。
毎回、日本人ではないゲストを招待するとき、メニューに頭を悩ます。
日本の料理は甘いのね、と言われたことは忘れられない。
なるべく、砂糖を使わない料理を、と考えてしまう。
メインの主食に「太巻き」と、甘いのが苦手な人のために「鮭とわかめのふりかけおにぎり」を作った。
そうしたら、太巻きと、海苔を巻いたおにぎりがほとんど手付かずのままで残ってしまった。
なんだ・・。
がっかり、しょんぼり。
前日から仕込んで、当日も朝早くからねじり鉢巻で頑張ったのにな。

フランス人の友人にこっそり訊いてみた。

この黒い紙みたいなのが、わたし、だめなの。

ふーむ。ネックは海苔、か・・・。



そんなことがあって、ふと、キンシャサの寿司宅配店はどんなメニューでキンシャサの外国人客にサービスを展開しているんだろう、と思った。
早速、先月初めに友人からもらったパンフレットを引っ張り出して見てみた。





寿司宅配店 ”GEKKO'S”のメニュー


初めてじっくりとパンフレットのメニューを見た。
なんとおもしろい!
あちこちに、日本料理の単語を見つける。

・ENTREE ET SALADE
・SASHIMI  (5切れ)
・NIGIRI (2個)            ご飯の小さなかたまりに新鮮な生魚、または冷野菜載せ
・MAKI   (1本を6個にカット)    ご飯と付け合せを海苔で巻いたもの
・SUSHI (1本を8個にカット) 外側にご飯が巻かれたもの
・SUSHI SPECIAL MAISON(1本を8個にカット) ※写真では海苔で巻かれている
・PLATEAUX(2人用33個入りから5人用73個入りまで) スシ、マキ、ニギリのメニューの盛り合わせ。サシミ入りのものもある。
・DESSERT            アイス、ケーキなど4品

メニューは、この八項目から成り立っていた。
価格表示は、キンシャサじゅうの店がそうであるように、この店もすべてコンゴフラン表示になっている。(以下、1ドル=920コンゴフランとして換算表示。)


「前菜とサラダ」の筆頭に、”EDEMAME”とある。説明を見ると、”えだまめ”のことだ。5.5米ドル。
海老てんぷら、海鮮サラダ、ともに2米ドルちょっと。


「刺身」では、鮭、いか、まぐろ、すずき(?)が7~8米ドルちょっと、ちょっと高めでほたても。4種盛り合わせ15切れで26米ドルというのもある。


「にぎり」を見ると、ほぼ刺身と同じ内容だ。”UNAGI” anguille fumee~くん製うなぎ? うなぎ蒲焼は、anguille grilleeと言うらしいから、はて、どんな料理だ?
卵焼き(OMELETTE A LA JAPONAISE)もある。
茄子(AUBERGINE)のにぎり、ってどんなのだろう。
”SHIMI SABA”? 括弧して”さば”と仏語で付記している。しめさば、のことだろう。

キンシャサでこんなにたくさんの日本語のメニューに出会うなんて、ちょっと感激だ。
いちばん安いアボカドにぎりの4米ドルからえびの8米ドルちょっとまで。


「巻き」には、きゅうり巻きや、アボカドと鮮魚のコラボ巻き、えび天巻き、太巻きもある。”FUTTO MAKI”と表示されているが、七種の具入りだ。かんぴょうも卵焼きも入っている。
ホントに”ふっと巻き”の感じが漂ってくるようだ。
アボカド巻きの5.3米ドルから、えび天巻きの11米ドルちょっとまで。
でも、海苔で巻かれた巻きもの、って売れ具合はどうなのだろうなあ、と気になるところだ。


海苔で巻いていないという「すし」メニューも興味津々だ。
カリフォルニア巻きが筆頭にきている。
”鶏カツ巻き”・・・鶏カツにマヨネーズ、マンゴ、きゅうりを一緒に巻いたものってどんな味なのだろう。
ベジタリアン向けの巻きもの、中東料理の”FALAFEL”(ひよこ豆を団子にして脂で揚げたものらしい)の巻きものがあるところが、レバノン人経営の店らしいところか。
カリフォルニア巻きの9.5米ドルから、”BEAUTE DE GEKKO'S”(月光・特上)の14米ドルまで、ちょっと値が張る。


「当店独自メニューすし」がまた、おもしろい。
”CONGO”という巻きものには、かえるのもも骨抜きカツに緑野菜、きゅうりが使われている。
”L'ALASKA”は自家製白チーズマリネ入りだそうだが全く想像がつかない。
”NEGI SHAKE”(ねぎ・しゃけ。ねぎシェイク、ではない。)の8米ドルから”フォアグラ”の16.5米ドルまでだ。
 

「盛り合わせ」は、すし、巻き、にぎりのメニューからの盛り合わせだ。
”ベジタリアン”(38個、3人用)約50米ドルから、”月光特製”(70個、5人用)約100米ドル、そして”LE MIX”(73個、5人用)約115米ドルまで。


「デザート」の中の、”MOSHI GLACE”(モシ・アイス)ってどんなアイスクリームだろう。括弧して日本のアイスクリームと付記されている。これは、2.5米ドル。白チョコのチーズケーキ14米ドル。


すごいメニューだ。
「GEKKO'S」のパンフレットは黒色で、和風の雰囲気を感じる。
日本語だと、店名は「月光家(げっこうや)」になるかな。
丸いお皿にヤモリが載って、皿の下に箸が一膳置かれている、といった商標だ。

日本では、やもり、って”家守”とも書いて、家の守り主みたいに考えられているということを知ってのことなのだろうか、と考えてみたりする。

この「月光家」のメニューを見ていると、相当な日本通のマダムが、レバノンテイストを加味して、女性らしく細かいところまで工夫した料理を並べたなあ、と感心してしまう。

注文した寿司はきっちり保冷バックに入れられて届くのだそうだ。

一度、月光家の寿司メニューを食べてみたいな。
そして何より、この経営者マダムに会ってみたいな。

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