国の西部にある首都キンシャサはアフリカ第三の大都会だ。
なのに人々はとても貧しいし、外国人にとっても治安良好な都市だとは言えない。
それでも、とても平和だ。
子どもたちは学校へ通い、学生街を通るとおしゃれした学生たちが楽しげにお喋りしながら通り過ぎて行く。
でも、この国の東部は、気候も穏やかで農作物も豊富だし、また天然資源に恵まれ、本来ならばその恩恵を受けて豊かな地域であるはずなのに、資源採掘権争い、先進諸国の国益などが絡み合い、紛争状態が続く地域だ。
その紛争に少年兵が仕立てられ闘いの渦中に投げ込まれているという地域だ。
こんな話を耳にした。
この国の最高学府と言われる、国立キンシャサ大学がある。
わたしは訪ねたことはないのだが、キンシャサ大学の立地場所が信じられないほど辺ぴなのだそうだ。
キンシャサ郊外の山の上にあり、大学正門に続く道路は片道1車線でしかもとても狭い道幅だと言うのだ。
なぜ、最高学府がそんな場所に建っているのか。
それは、政府に反乱を起こす時先頭に立つのがキンシャサ大学の学生たちだから、かれら反乱学生たちがキンシャサ中心部に到達する時間を稼ぐためだ、と言うのだ。
実際、昨年11月に東部ゴマが反政府軍に占拠されたときもかれらは真っ先にデモを起こしたのだそうだ。
愛国心に燃える若者たちの行動を、政府は警戒しているのだ。
かれらのデモ活動や反乱行為がすぐキンシャサ中心部に波及しないために、敢えて大学立地を辺ぴな山の上にしたのだ、というのだ。
なるほど、と納得する説明だった。
さて、コンゴ民主共和国東部の紛争地域を舞台に少年兵を描いたカナダの映画が日本でもとうとう封切られた。
「魔女と呼ばれた少女」という映画だ。
映画「魔女と呼ばれた少女」より |
映画『魔女と呼ばれた少女』 - シネマトゥデイ
多くの日本人がこの映画を観て、コンゴ民主共和国の東部地域の実情に目を向けてくれたらと願う。
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