(コンゴ民主共和国には、もう一つ、ブラコンゴ社というビール会社があるらしく、そこでも数種のビールが製造されていると聞く。)
参加者20数名が数台の車に分乗して集合地のグランドホテルから出発。ラッシュに合わずに15分ほどで到着した。夫たちのプロジェクトのポアルー・ストリート方向に進み、少し手前を右折したところに工場はあった。道路から、円筒形の建物に缶ビールに見立てて描かれた看板がそびえ立っているのをわたしは何度か見ていた。
工場敷地内に入ると、Bralima社の看板ビール「PRIMUS」のロゴの入った車やバイクがあちこちに駐車されていて敷地内もきれいに整備されているな、というのが第一印象であった。
社長はベルギー人男性。かれもやっぱりビール腹か。
IWCは英語のグループだから英語で話しましょう、と。それでも、わたしには理解が難しい。
Bralima社は、1929年にキンシャサで生産を開始。今ではHeineken internaitional Groupの傘下にあり、Kinshasaのほかに国内5ヵ所の地方都市Boma,Mbandaka,Kisangani,Bukavu,Lubumbashitに工場を持ち、コンゴ国民に労働の場を提供していると強調している。さらに、2007年に「FONDATION BRALIMA」を設立し、教育分野の支援、職業訓練、孤児支援、病院設置、米作支援などを行っているそうだ。
ビールの原料の米は国産だという。今後、アジアからの米を輸入することも考えているとも。モルトはアフリカでは獲れないからヨーロッパから輸入。水は地下水でも川からの水ではなく(中央アフリカ共和国・バンギのMocafビールは地下水を汲み上げて使用していた。)、水道局の水を使っているのだとわたしは理解した。
そこには生産を開始した1926年当時のビール生産の機械が展示されていた。
当初、ビールは手動で瓶に詰められ、生産高は一日に千本だったそうだ。
今では、(わたしの聞き間違えでなければ・・)1時間
に4万本が生産されているとか。
途中に、月別生産高の棒グラフや、月別事故発生の棒グラフなどが掲示されている。工員達には一目瞭然。経営者側の、雇用者労働意欲向上の努力が垣間見える。
また、工場入り口にこんなユニークなものもあった!
「BRALIMA-キンシャサ コンゴ民主共和国
2007年11月に千回目の麦芽汁原料
2007年11月に千回目の麦芽汁原料
2006年、年間通して44日の獲得
200の麦芽汁原料ー12万HLの獲得
感謝」
とあり技術工場長の名が記されている。
何のこっちゃ??ビールの製造過程が分かってないから意味不明だけど、とにかく何かすごい偉業を達成したのだろう。そんな、コンゴの誇る銅製のプレートが工場内に掲示されていた。
工場はもちろんすべてオートメーション化されている。操作盤を見つけた。
PRIMUS,MUTZIGなど、Bralima社で製造される5銘柄のビールの、(左から)モルト、米、砂糖の分量表だった。
ちなみに夫は大瓶72cl(72ml)PRIMUS派で、わたしは小瓶入りのMUTZIG派。
MUTZIGには砂糖が入ってないのだ。
街中で瓶持参(鉄則!)でどちらも1100フランとか1200フランとか(100円ちょっとくらい)で買えるらしい。レストランで飲むと、2000フランとか2500フランになる、とは夫の話だ。
街中で瓶持参(鉄則!)でどちらも1100フランとか1200フランとか(100円ちょっとくらい)で買えるらしい。レストランで飲むと、2000フランとか2500フランになる、とは夫の話だ。
大きな円筒形のタンクだった。
2階の通路から見下ろせた。赤外線のような機械を通過させて瓶の中をチェックしている。大量の水で瓶の紙ラベルを剥がしているが、ラベルがついたままだったり割れた瓶はマンパワーではじかれていた。
オランダ人の友人が、「NileDutch」のコンテナを見つけて、わたしの国から辿り着いたんだわあ!、と懐かしんでいた。
ここの工場はコンゴ川沿いではない。
ここの工場はコンゴ川沿いではない。
この辺り一帯は工場地域で、いたるところに土に半分以上埋もれてしまった古い2本のレールが、工場敷地内へと続いているのが見つかる。昔は、ヨーロッパからの大型船が大西洋からコンゴ川を上ってマタディー河港まで来て荷降ろしされ、120キロの道のりのキンシャサ・マタディー鉄道を通ってキンシャサにある工場近くの駅まで来たコンテナをトロッコか何かで各工場へ運んでいたのかなあ、と想像してみる。あくまで想像だが。
今では鉄道輸送はなくなって、トラック輸送になっているのかもしれない。
いずれにしても、ビール原料のモルトははるばるヨーロッパから輸入されると説明を受けた。
さて、瓶の洗浄工程を工場内2階通路から望んだあと、そのまま直進して右折したところのドアが開いて招き入れられた。さあ、次は試飲していただきましょう、と言って。
今までは無味乾燥な工場と検査室風景ばかりだったが、なんと、そこだけ血の通ったような温かみのある空間があった。
そして、秘書の方が、皆さんにお土産です、と大きな包みが配られた。
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