2012年2月15日水曜日

動物園に行った

この前の日曜日の昼過ぎ、キンシャサの街の中心地にある動物園に行った。
サファリパークではなく、”動物園”がキンシャサにあったのだ。
入り口の鉄の門扉は閉まっていたが、「大人1人1000フラン、子ども1人500フラン」(900フランで1米ドル)と表示されている。
運転手が入場方法を訊いてくる、と言って車から降りていった。結局、私たちは1人2000フラン、運転手と車はそれぞれ1000フランを支払って入場した。

なんだか懐かしい動物園だ。
動物が入れられている檻や網は古いし、カラフルな飾りもないし、もちろんメリーゴーランドのような乗り物も売店もない。それでも、わたしが小さい頃よく連れて行ってもらった郷里の動物園に雰囲気が似ている。
そうだ、家族連れがあちこちで目に付くのだ。そういったのどかな、平和な空気が漂っているから懐かしいのかもしれない。家族連れは両親と子ども達2,3人が一単位で、みなパリッとおめかししているところが微笑ましい。弁当はどの家族連れも持ってない。音楽会にでも行くかのような格好だ。それとも、教会もミサの帰りに立ち寄ったのかもしれない。

ワニの前でお母さんが小さな子どもに何か言っている。「いい子にしてないとワニさんに食べられるよー!」とでも言っているのだろうか、子どもは顔をこわばらせて母親の後ろに隠れている。どこでも同じような会話なんだろうなあと和んだ雰囲気が漂う。

入ってすぐ、ワニのいる檻がいくつか並んでいる。檻の中に池があるが、手入れが行き届いてないのが一目瞭然。ワニが動かない!もしかしたら餌ももらえず干からびてるの?・・・と思ったら、目が動いた。運転手もなぜだか嬉しそうに一緒に来ている。餌をもらえないから可哀相だ、とかなんとか言っているらしい。
上の写真は、赤い垂れ幕に、「アントワネットとシモン。ナイルワニ。動物園開園のときからの年取ったわに。」とあるが、1938年に開園したのか、1938年に生まれたのか?写真の垂れ幕も見えないし確かめようがないが、戦前からの動物園とは思えない。ベルギー領だったときだ。もしかしたら、74歳のワニカップルなのか?
写真に写っているような首にチーフのある中学生くらいの男の子達もよく見かけたが、ボーイスカウトなのかな。
まだらの大蛇もいた。表示プレートにはインド産とあるから、この動物園で飼育されているのは、コンゴの動物だけではないらしい。

「キンシャサに動物園がある。」と教えてくれた夫と同じプロジェクトに勤務する方が、「腕枕で寝そべる、人間のようなおっさん猿がいて、こちらがジイーっと観られているような不気味な猿だった。」と教えてくれた。
おっさん猿、か・・。

見え難いかもしれないが、ほんとだ!前身毛むくじゃらだし顔も手も黒いけど、人間みたいにスラーッとからだが真っ直ぐで格好がまるで厭世観漂う”おやじ”だ。







映画”猿の惑星”の猿人より人間に近い容姿に思える。
それにしても、うつろな表情だ。こんなとこに入れやがって、もうどうでもええわい、といった風情のおっさん猿だった。
これこそが、「ボノボ」じゃないの?と思ったが、一度キンシャサ郊外でボノボ擁護団体、”Le Paradis des BONOBOS"を訪れた夫は、「ボノボはもっと小さかった。」と言う。そこは、森ではぐれた孤児ボノボを保護して、成長したら森に帰れるようなプログラムを持つところなのだから、子どものボノボしかいないのは当然だ。ボノボは50歳くらいまで生きるらしいから、このおっさん猿はボノボかも。
もう一度。
ほら、もう、世を捨ててる感じ。
おっさん猿をよく観たい、目が合ったら話しかけてみたい、と思ってどんどん檻に近づいておっさん猿の世界に入り込んでいたら、ツンツン、と肩を叩かれた。 思わず、猿から小突かれたかと思って叫んでしまった。「キャー!!」ボーイスカウト風のスカーフを首に巻いた男の子達だった。笑っている。檻に近づき過ぎると引っかかれるよ。そうだったね、Merci!

こんな猿もいました。まるで、絵本のおさるのジョージ だ。チンパンジーだと思うのだけど。
息子の小さいときを思い出して胸キュン。






こんな猿もいたけど、名前もわからないし、コンゴに生息しているのかも不明。









この猿はなんだっけ?



これもチンパンジー??あれ?このお猿さんがボノボかな?

顔も手足も真っ黒。無言で静かに手を差し出す姿が胸に突き刺さった。あんた餌もらってないの? と訊くとコクン、と頷いたような気がした。



猿の種類が続いた後、こんな大きな鹿のような動物もいた。やはり、どんな動物かという案内表示がない。










森の賢者、ふくろうも発見。







動物園の奥のほうに動物園事務所のような建屋が見える。結構な入場者がいたが入場料は餌代に回らないのだろか。動物の住む環境整備に問題を感じたし、動物の入っている檻や網が壊れかけていたり、空っぽの檻も目立つ。それでも、家族連れや友達グループとすれ違うたび、平和な憩いの場所がコンゴにもあったのだ、とうれしくなった。
こんな子ども会のような団体が来ていてゲームをしたり、音楽にあわせてダンスをしたりして楽しそうにしていた。皆、お弁当や水筒を持ってきていて、一日、ここで過ごすのだろう。


コンゴの東の地域では未だ紛争が絶えず、少年兵の存在を知ってからはますます、この国の子ども達のことを憂えていたが、家族仲睦まじい場面や、子ども会のレクレーション場面に出会い、日本と同じように子どもたちが大切に保護され育成されている様子に心が温かくなり、コンゴの国の将来にかすかな光を感じた。

アフリカで見た初めての庶民の憩いの場だった。

でも、あのおっさん猿が気の毒でならない。

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