2012年2月7日火曜日

アフリカの布地

小さな写真でごめんなさい。
キンシャサの町に、メインストリートには面していないものの、ひときわ目立つセンスの良い店がある。
この写真では見えにくいかもしれないが、”VLISCO”というアフリカの布地の店だ。
銀座にそのまま出店しても遜色ないような店構えだ。(もしかするとわたしの目がアフリカの目になっているのかもしれない・・。)
キンシャサの街中に何箇所か、特大の看板を掲げて宣伝しているし、TV衛星放送「France 24」でCMも流れている。
"VLISCO"の店舗は、HPによると、アフリカ大陸内ではベナン、トーゴ、象牙海岸、ナイジェリア、そしてコンゴ民主共和国に、そしてヨーロッパでは、アフリカ布地発祥の地、オランダにあるという。
バンギ(中ア)で布地の露天商が「これは、Wax Hollandaisだ。」と自慢げに言っていたのを思い出す。確かに、アフリカ製の布地に比べてしっかりした織り地だった。
今もヨーロッパで唯一、オランダに店を構えていることはとても興味深い。

"BLISCO"店内入ってすぐ左のスペースに古典的なアフリカプリントの布地が壁面に飾られ圧倒される。古典柄もいいものだ。
右側には、モダン柄の洗練された、それでもやっぱりアフリカっぽい布地が並べられて、店のコンセプトがうかがえる。
すべてヤール幅の1反6ヤード売りだ。(1ヤード=約90cm)1反ずつ紙テープで留められている。この単位は以前と変わらない。もちろん綿100%。バーゲン品で1反20米ドル。正価だと40米ドル近くする。バーゲン品のコーナーに2ヤード分の布地がリボンで結わえられているバスケットがあるのを発見。ありがたい。

さらに進むと、もうそれは色とりどりの布地が、見やすく手にとって選べるようにズラーっと陳列されている。店の奥は、既製品がハンガーに掛けられて並んでいる。ワンピース、スカート、バッグもある。男性のアロハシャツのようなものもあって豊富な色合いだ。
手に取ってみたら、がっかり。縫製が良くなかった・・・。あらら。こりゃ、銀座出店は夢と消えました。
それでも、布地コレクションは圧巻だ。

これはほんの一部。VLISCOのホームページから採った画像だ。店で布地を購入すると、お洒落なビニール手提げ袋に入れてくれる。その手提げ袋にHPアドレスが載っていたので検索してみたら、本当に楽しい未知の世界が広がっていた!
www.woodinfashion.com
ぜひご覧あれ!

モダン柄は、古典柄に比べて柄が小さい。古典柄は、度肝を抜かれるくらい派手な大柄のものが多い。





右の写真で、布地の端にプリントされたブランド名が見える。”Woodin”、”COTE D'IVOIRE"と記された布地は、わたしがVLISCOの店で購入したものだ。

バービー人形のようなマネキンのような店員のお姉さんがツン!と可愛くすまして、「ここの商品はコートジボアールからのものです。」と説明してくれた。


この写真の一番下の緑&茶の布地は、”DaViva”というブランドのもので、スーパーマーケット”HASSON et FRERES"内の一角に店がある。ガーナ製とのこと。テーブルクロスにするのにちょうど良い小さい模様が多い。アフリカの古典柄は店内一周したが見当たらなかった。

それでも、やっぱり1反、6ヤードで売られている。

古典柄のプリントといえば、夫が前回の滞在時、地元の市場で買っておいたという布地がそれだ。

右の写真は、その余り布でわたしが作った財布だ。
コンゴ民主共和国(DRC)では、アメリカドルとコンゴフランが「1:900」のレートで2本立ての通貨流通となっている。米ドルで支払ってコンゴフランでおつりをもらうのだが、わたしには計算できない。スーパーマーケットではすべてPCで処理されている。コインは使われていないから端数切捨てなのだろう。

だから、わたしの財布は、米ドルとコンゴフランの紙幣だけ。印刷も見えないくらいぼろんぼろんの紙幣には驚く。

すべて手縫いだけど、愛着があって、使い勝手もなかなか良い・・と自画自賛・・。







アフリカ古典柄の布地は、キンシャサから隣国、コンゴ共和国の首都、ブラザビルへ向かうフェリー乗り場の近くの布地横丁で買える。狭い路地に露店を営むマーケットマミーが、通りかかる客にけたたましい声で呼びかけている。

"BLISCO"や、DaViva"の半値から3分の1の値段で買えると思う。


現地の布地横丁はこんなところだ。こういう空間で選ぶのもまた楽しい。

中央アフリカ、バンギにいたときは、こんな露店で古典柄の布地を買っていた。

一反=6ヤードのうち、2ヤードでロング巻きスカートにし、2ヤードでブラウスを仕立て、残り2ヤードを使ってある女性は腰に巻いてボリュームを出したり、ある女性は頭に巻いて帽子風にしたりしてお洒落の個性を競っていた。赤ちゃんのいる女性は残りの2ヤードで赤ん坊をくるんでおんぶしていた。

それが1992年~95年にバンギで見かける女性の服装だった。

今、キンシャサでは、そんな格好をする女性はまず見かけない。

町行く女性は、普通のワンピースやスカート、またはパンジャプドレスのようなパンツスタイルとなり、頭に巻いていた布地の替わりに「カツラ」か「エクステ」になってしまっている。


下の写真は、夫の会社の現場の秘書の女性。お洒落でしょー!!(撮影者=夫!)


初めて彼女に会った時は、ロングヘアーのジーンズ姿だった。今日はショートヘア。

体も縦横、厚みともしっかりあるので、見栄えがする。

彼女が言うには、20米ドルあれば、布地購入&オーダーまでできるのだそうだ。

かれらの独特の色使い、センスの良さは一体どこから来るのだろう。

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