2013年2月24日日曜日

キンシャサのオクラ

キンシャサに来て間もないころ、日本大使館員の奥さんに現地野菜市場”ジギダ”を案内していただき、初めてここにも”オクラ”があることを知った。

”ジギダ”に行くたびにオクラを買っていたら、最近ではキンシャサ中心街のスーパーマーケットやジュスティス通りの路上野菜売りのマダムのところでも買えるようになった。

気をつけて選ばないと、時々、筋の硬いオクラがあったりするが、日本のものとほぼ同じだと言える。


ある時、わたしがオクラを買って台所に置いていたら、家政婦が驚いて、日本人はオクラを食べるのか!!、と言う。
食べるよ、と(わざとらしく)平然として言うと、更に続けて、日本にもオクラがあるのか!!、と目を皿のようにして言う。
もちろん!!

うっへえ~、アフリカから遠い遠い日本なのにねえ。
日本にもオクラがあるんだ・・・、と遠い目をして感心した。

わたしのフランス語の先生も同じリアクションをした。
日本って、遠い国で文化もことごとく違うと思っていたら、日本人もオクラを食べるのねえー!
はいー、食べるんですよー。



前菜として我が家でヒット中!


オクラにハムや茹でたにんじんのせん切り、かつおぶしなどを混ぜて醤油で和えて食べるのだが、最近、「オクラそうめん」というレシピをネットで発見してからは、ちょっと我が家のマイブームになっている。

オクラとそうめんをつゆ(しょうゆ、みりん、だし汁を混ぜ合わせて熱し、冷蔵庫で冷やす。)で混ぜ合わせて、レモンや七味を入れて食べる。
冷たくてさっぱりして、暑い国の前菜にもってこいだと思っている。



※ ネタばらしをすると・・・我が家にはそうめんはないので、こんな代替品で食べるのだが、これがまた結構イケル。 ↓


  ”Capellini”というスパゲティーの細麺だ。ちなみに、”天使の髪の毛”という意味なのだとか・・。



家政婦やフランス語の先生の話では、コンゴの人たちはオクラのことを、(口をしぼめて)「ドゥンゴドゥンゴ」と言っている。それがリンガラ語なのかどうかは知らないそうだ。
家政婦の出身地のバコンゴでは食べないのだとも言った。
バンドゥンドゥ、ルブンバシ、カサイといったコンゴ南部地方で食べられるようだ。
そういった地方出身の人たちがキンシャサに来て、ドゥンゴドゥンゴの食習慣を広めたのだろうということだった。

コンゴの人たちは、オクラを細かく切って、玉ねぎ、ねぎ、にんにくなどと一緒に油で炒め、塩味の干し魚を混ぜ、トマト味にしてフフ(マニョック、とうもろこし粉を火にかけながら練り上げたもの)と食べるのが一般的な食べ方のようだ。

フランス語の先生は、さらにこんな話もした。

ドゥンゴドゥンゴは安産に良い野菜と言い伝えられていて、妊娠8ヶ月、9ヶ月になると母親から安産のために食べなさいと言われてたくさん食べたわー、と、ちょっと寂しげな目になって懐かしんでいた。(彼女は出産直後に男の子を亡くし、以後赤ちゃんを授からないまま、夫と離婚している。)

日本で安産のために妊婦が食べさせられるもの、ってあったかなあ。


ネットで調べると、オクラ Okra は、アオイ科トロロアオイ属の植物、または食用とするその果実のこととあり、英名 Okra の語源は、ガーナで話されるトウィ語の nkrama からきたものだそうだ。
アフリカ北東部が原産で、エジプトでは紀元前200年頃にはすでに栽培が始まっていたという。
日本へは,江戸時代終わりに渡来。
本格的に普及したのは昭和40年頃なのだそうだが、沖縄県、鹿児島県、伊豆諸島などではそれ以前から食されていて、そういったところでは、「ネリ」という日本語で呼ばれていたとも記されている。

独特の食文化っておもしろいなあ。

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