20年前、中央アフリカ共和国の首都、バンギで、子どもたちの学校の教師ジョスリンさんから、アフリカにはあなたと同じ名前の木があると聞いて以来、ずっと気にかかっていた木だった。
そして数日前、隣人のSドクターが、見つけましたよ、Irokoの木についての情報です、とWikipediaのページを転送してくださった。
http://en.wikipedia.orq/wiki/Iroko
Iirokoの木。
Hirokoの木。わたしの木。
そんな気がする木。
いよいよIrokoの木について書くときが来たように思う・・・。
まず、Irokoの木、ってこんな木、なんだそうだ。
Iroko の木 ~ Wikipediaより |
Irokoの木は、大きく堅い木質を持つ。また、熱帯アフリカ西岸からの木だ。
Irokoは、”アフリカンチーク”といわれる木のひとつだが、チーク科とは関係がない。
木の色は、初めのうちは黄色だが、時が経つと濃い茶色になり色が深まってくる。それは、おそらく”Milicia excela”によるものだろう。
学名は、”Chlorophora excela”、”Chlorophora regia”という。
Irokoの木は、発祥地の文化風習の中で、畏れられてもいるようだ。それゆえ、避けられもし、あるいは供物として崇められもする。
ヨルバ族たちは、その木には精霊が宿っていて、その精霊を向かい合って見てしまった者は狂って死ぬのだと信じている。
また、ヨルバ族たちの中には、Irokoの木を切り倒した者は、彼自身や家族が不幸になるという言い伝えもある。
さらに、Irokoの精霊が木の中に宿っているならば、その木で建てられた家の中で精霊の声を聞くであろう、とも言い伝えられている。
ナイジェリアには、ヨルバ族のIrokoと同じような言い伝えを持つ木がほかにもある。
Iroko材は、造船や屋内床板、家具を含めて、いろいろな目的で使われている。
1990年代末から、Txalapartaという木板を組み立てたバスク音楽の楽器のパーツに使われるようになった。生き生きとしたサウンドを作るためだということだ。
また、Iroko材は、伝統的な西アフリカの太鼓ジャンベ(Djambe)の木のひとつでもある。
Iroko材は、とても耐久性のある木材で、室外用として使用する時、油やニスを塗装する必要がない。
チーク材と同じくらい耐久性に優れてはいるが、Irokoとチークはおなじ生態系は持たない。
イギリスでは、機械加工されたIroko材の貿易制限がない。
唯一、報告される有害結果は、Iroko材からの埃によって引き起こされることで知られる、喘息、皮膚炎、じんましんだ。
・・・そんなことが書かれていた。
さらに調べてみると、Irokoの木は、クワ科クロロフォラ属。
チーク材に似ているので、商品名でアフリカンチーク、ナイジェリアチークとも言われているそうだ。
耐久性に非常に優れているから、船の木材としても適材であるし、虫の害にも強いのだそうだ。
精霊が宿る、とかちょっと畏怖の念にも駆られるが、堅い木材だからこそ、バスク音楽の木琴(?)や、アフリカの打楽器にも好んで使われるのであろう。
どこかの項に、Irokoの木は、「キューバの音のリズムをきざむパーカッション、ジャンベが作られる木材である命の木」であるとの表記を見つけた。キューバはアフリカからの移民が多く住む国だ。
また、夏の絵本屋でアイリッシュハープとチェロのコンサートを持った時に、ハーピストが、アフリカの堅い木で作られたハープは本当に良い音色を奏でる、と解説していたことも思い出されることだ。
Wikipediaには、Irokoの木の分布はアフリカ西岸、と記されているが、中央アフリカ共和国でも、ここコンゴ民主共和国でもおなじみの木だ。
Irokoの木の解説として、こんな表記も見つけた。
「Irokoの分布範囲は広く、西アフリカのシエラレオネから東へガーナ、アイボリーコースト、カメルーン、ガボン、ザイールを経て東アフリカのタンザニアにまで、アフリカを横切って分布している。それぞれの国で重要な木材となっている。」
Irokoの木材は、Wikipediaの解説にもあるように、淡黄色から濃いチョコレート色までの幅があり、淡色の細い縞があるのだそうだ。
こんなに濃い茶色もある。
どこかのメーカーから、ipod touch のプロテクターに、”Iroko”の品名表示でこんな色のものがあって、「売り切れ」と書かれてあった。(ちょっと、エッヘン!したりして。)
本当にいろんな色目があるものだ。わたしの大好きな北欧のシンプルな家具デザインが似合いそうだ。
切り倒されてきた、Irokoの丸太だ。見るからに堅そうな木質だ。
Irokoの木もどんどん伐採されて森が消えてゆくのかな。
ヨルバ族の言い伝えはちょっと怖いけど、”恐れ”ではなく、木の精霊への”畏れ”として、乱伐の戒めにしてもらいたい気もする。
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