2012年11月12日月曜日

真ん丸綿毛の木

11月のキンシャサは雨季真っ盛り。
降雨量も一年で一番多い月なのだそうだ。

今日、ちょうど昼の12時頃、ブログを書こうとしたら、空が真っ暗になり、風が吹き始めた。
マダム、じきに雨が降り始めるよ、気をつけてー。
部屋中の窓を閉めて回り、ベランダの洗濯物を取り入れた。
ほどなくして横なぐりの土砂降りの大雨となる。
そして、停電。
いくら待っても今日は自家発電機は作動しなかった。
どうやら雨季に入ると停電が多くなるようだ。


さて、下の写真は、11月4日に撮ったゴルフ場でのものだ。
遠くから撮ったのでよく見えないが、コース芝生上に無数のコロンとした綿状のものが点在していた。
芝生上で誰かが布団やクッションの綿の詰め物を取り出したのではないか、と疑りたくなるような有様だ。

説明を追加
なぜ、こんなに綿が点在しているのかとキャディーのおじさんに訊いた。
あそこを観てごらん、あの大木を!
この写真の向きの真反対を振り向き、左側上方を見上げると・・・まあ、かわいい!!
枝にびっしりと、丸い綿毛をつけて、ひときわ高く天にそびえる木が見えた。


丸い綿毛を付けた木
  まるで誰かが綿をくるくるっと丸めて枝に飾ったのではないかと思えるかわいらしさだ。

キャディーのおじさんに木の名前を尋ねるとバオバオの木だ、と言った。
ホントかな??
この綿毛はクッションの詰め物に使われるんだ。
でも気をつけないと鼻に入ると病気になるよ。


詰め物に使われるんだー。
でもよくよく見ると、タンポポの綿毛をもっともっと密集して親分にしたような固まりで、ちょっと細い綿毛なのだ。
中央アフリカで娘が持って帰ってきたことのあるカポックの実を思い出す。
その実の中の綿毛は繊維も長くしっかり太くてしっとりしていた。
カポックの茶色い硬い殻を割ると、パフっと音を立てるかのごとく、中でぎっしり詰まって寝ていた綿毛の繊維が目覚めたようにふっくりと出てきた。


我が家の家政婦に訊くと、ああこれは知っている木だけどバオバオではないよ。
名前は何だったかねえ・・・。
この木の幹を下までたどって行くと、バオバブの木の幹に形は似ているが、あんなにどっかりと太くはない。

芝生にコロコロ転がっている丸い綿毛は、あの枝から落ちてきたんだ。


9月中旬から10月初めにかけてゴルフ場の大木の紫のマメ科の花が満開になり、ゴルフ場が華やいだ。ちょうどその大木の下の砂地のバンカーのくぼみに、藤の花そっくりの紫の花が落ちて埋まり、遠くから見ると、きれいな紫の花の池のようだった。
今では、紫の花たちは見る影も無く、見上げると枝に豆の入った緑の莢(さや)がぎっしりと垂れ下がっている。この木こそ、ウエンゲの木。
とうとう発見したウエンゲの木!
黒っぽく、硬くてしっかりした木質で家具や楽器に使われる木だ。
ウエンゲもアカシアの木もマメ科だし、ゴルフ場にはマメ科の木が多いように思う。

キンシャサのゴルフ場には何本の木が植わっているのだろう。
18ホールある中で、1ホール当たり少なく見積もって50本の木があるとしても900本だ。
ゴルフ場の周りも木で囲まれているし、千本は下らないだろう。

余談だが、わたしの名前は、「Hiroko」。
フランス語では、”H”が発音されないから、「イロコ」となる。
それと同音の、”Iroko”の木が、中部アフリカ一帯に自生していると聞いた。
とても堅くて良い木なのだそうだ。
ことあるごとに、「Iroko」の木を尋ねてみるのだが、まだ出会ったことはない。
いつかの出会いをわくわくする思いで待っている。

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