2013年9月7日土曜日

中国の衛星放送サービス StarTimes

わたしたち夫婦のキンシャサ滞在も1年8ヶ月が過ぎた。


今までずっと我が家は、テレビ視聴に関しての話だが、”Canale+”というフランスの衛星テレビ放送サービス会社と契約をしていた。
多分、キンシャサで最大手の衛星放送サービス会社だ。
受信機械を100米ドルで購入し、さらに屋上にパラボラアンテナを設置し、月に50米ドルを支払って視聴していた。
料金設定の選択でフランス語放送しか視聴できず、コンゴのテレビ局の映像は極めて悪かった。

そのうち、Canale+を通してのテレビ受信状態が悪くなり、修理にかかる費用が嵩んだ。
ここ2,3ヶ月の間に3度ほどCanale+の会社から修理に来てもらったが、結局、直らないままだった。わたしは、テレビ番組に全く興味を失くした。


そして、昨夕のこと。
夫が”StarTimes”と書かれた箱を抱えて帰宅した。
街の看板広告で気になっていた中国の衛星放送サービス会社なのだと言った。

中国の衛星放送サービス会社StarTimesの受信機械


箱から、シンプルな衛生放送受信の機械を出して簡単に設定し、テレビのスイッチを入れた。
久しぶりに観るきれいな画面。
なんと、中国語放送も視聴できる。(ドラマや歌謡番組もやっていてちょっと興味津々だ。)
コンゴの放送局のチャンネルもきれいな画面が受信できる。
コンゴの放送局で流れるコマーシャルのおもしろいこと!
この国だってすごいCM制作の技術を持っているんだ、と初めて認識し、軽い衝撃がはしる。

今まで見慣れていたフランスからの世界向けの放送局”France24”もしっかり視聴できる。

なにより驚くのは、中国本国からの”CCTV francais”という世界向けのフランス語の放送局がある、という事実だ。
今夜は、ずっとロシアで開催されていた”G20”の映像が流れていたが、もちろん中国の習主席とアメリカ代表のオバマ大統領のツーショットがほとんどなのだ。他に、ロシアのプーチン大統領、ドイツのメルケル首相の映像が出るくらいで、あとはずっと習主席とオバマ大統領の親密場面ばかり。
Japanの”J”の字もかすめず、安倍首相の影すら出ないことに驚愕。

中国のテレビを通じての国力のPRはすごい!、と感服した。


さらに!
このStartimes衛星放送サービスの料金設定もまた良く考慮されていて、コンゴのちょっと上の階層の家庭にも手が届くくらいの低価格料金なのだ。

受信機械の購入に40米ドル。
アンテナは不要。
1ヶ月に10米ドル(9100コンゴフラン)を払うだけ。
それでフランスの放送チャンネル,中国からの放送チャンネル、そしてコンゴの放送局のチャンネル計21局が視聴できるのだ。

夫の会社の運転手が、月10米ドルで充実したフランス語放送が視聴できるなら、我が家も加入するかなと言っていたという。

初期投資(受信機械購入)の40米ドルはちょっと手痛いが、月10米ドルできれいな画像を視聴できるとあれば、コンゴ人の間で話題になるのも理解できる。
StarTimesが1ヶ月前にサービスを開始してすでに加入者が8000件を越えたというのだから驚異的な広がりだ。

この衛星放送サービスが滞りなく続くようであれば、中国製品の「安かろう悪かろう」イメージも払拭できるばかりか、中国本国から放送されるフランス語放送で中国の国力、技術が目の当たりにでき、コンゴで中国のイメージは確実にアップされること間違いナシだ。

あーあ。
日本にもがんばってほしいなあ。

3 件のコメント:

  1. 突然のコメント失礼します。阿部と申します。急遽、仕事で週明けキンシャサに行くことになり、現地の事情に詳しい方を探している中で、hiroさんのブログにたどり着きました。不躾なお願いで大変恐縮ですが、現地事情について、少しお話を伺えないでしょうか。(google+経由での書き込みしか出来ないようですが、これでメールアドレスはhiroさんに伝わるのでしょうか?)

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  2. このコメントは投稿者によって削除されました。

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  3. 安部様。コメントをありがとうございます。ついさきほど、わたしの個人メアドから返信しましたが届きましたか?安部さんのメイルに送信してみますね。

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