2013年9月29日日曜日

コンゴフラン紙幣の動物たち~川魚とマルミミゾウ

今回もコンゴフラン紙幣に描かれる動物のことを中心に。

前回、前々回で、新紙幣の二万コンゴフラン札と、1千コンゴフラン札の図案の動物について書いた。
カンムリヅル(ホオジロカンムリヅル)、コンゴキリン(二万コンゴフラン紙幣)、ヨウム、オカピ(1千コンゴフラン紙幣)の紹介だった。

では、その他の紙幣には、どんな動物が取り上げられているのだろう。


旧紙幣の図案から見てみよう。

50コンゴフラン紙幣

以前から存在する50コンゴフラン紙幣(上写真)の上部の図案には、「コンゴ河沿岸の漁師の村」と説明書きがある。
熱帯雨林迫る高床の木製住居とピローグ(丸木舟)、そして川魚が描かれている。
キャピテンとかナイルパウチとか呼ばれる、白身の川魚かと思われる。
下の図案は、どこかの地方のお面だと小さく書かれているが、読めない。
(旧紙幣には、各図案に説明書きが短く載っている。)

100コンゴフラン紙幣(下写真)も以前から存在する。
まず、写真下部(裏面?)の絵には、「インガダムⅡ」と記されている。
わたしたちが8月にマタディー、ボマへ行ったときに立ち寄ったインガダムだ。
キンシャサ大都市が消費する電力は、このインガダムでまかなわれる。
ここで発電される電力は隣国にも送電され、ダムの増設でさらにエジプトなどの遠方諸国にも電力を売り込もうという壮大な計画があるのだそうだ。
いかんせん、我らがコンゴ河(!)は全長アフリカ第2位、流域面積世界第2位という大河でありながら、小さな支流を除いてコンゴ民主共和国の一国だけで完結するという稀有の大河で、ダム建設に隣国との利権問題が一切発生しないのだと聞く。
コンゴ河を有するこの国は、水力発電資源も豊かなのだ。

さて、同じ100フラン紙幣に描かれるゾウのほうに話題を移そう。
図案下には、「ゾウ ヴィルンガ国立公園」と書かれているのみだが、コンゴ紙幣に取り上げられたからには、このゾウはIUCN(国際保護連合)により絶滅危惧種に指定された””マルミミゾウ”だと思いたい!


100コンゴフラン紙幣

マルミミゾウは、一見してアフリカゾウに似ているが、肩高2.1m~2.4mとアフリカゾウより小さく、耳はアフリカゾウよりは小さく、インドゾウよりは大きいのだそうだ。
コンゴ河下流域の森林地帯に生息するコビトマルミミゾウというゾウもいて、それはさらに小さいのだそうだ。会ってみたいなあ。
ただ、マルミミゾウの牙はふつう下方に向かって、あまり曲がらずに伸びるらしいから、この点で百フラン札の図案がマルミミゾウか疑問が残る。

また、マルミミゾウをアフリカノゾウの亜種とする場合、草原に生息するアフリカゾウを”ソウゲンゾウ”と呼び、これに対して森林地帯に生息するマルミミゾウを”シンリンゾウ”と呼んだりもするそうだ。
下の写真が、絶滅危惧種のマルミミゾウ(シンリンゾウ)だ。
この紙幣に描かれるゾウは、カメルーンからコンゴ、アンゴラにかけての森林地帯に生息するといわれるマルミミゾウだと思うのだけどな。

マルミミゾウ(シンリンゾウ) インターネット動物図鑑より

なんだか、”マルミミゾウ”という名まえからして、放っておけないかわいらしさを感じる。
絶滅危惧種に指定されてもいるし、思わず「がんばれ!」と声を掛けたくなる。
実際、マルミミゾウの象牙はハード材と呼ばれ、印鑑や三味線のばちの材料として重宝されてきたのだそうだ。現在では、マルミミゾウの象牙の売買は全面的に禁止されている。
にもかかわらず、現地では密猟が絶えず、マルミミゾウは生存の危機に瀕しているというのだ。

「知られざる森のゾウ ーコンゴ盆地に棲息するマルミミゾウー」(ステファン・ブレイク著、西原智昭訳、現代図書)という本が日本で出版されていることを知った。
ぜひ読んでみたい本だ。


ここで今日はひとまずお仕舞いにする。
これから、夫とゴルフコンペに参加するのだ。
わたしたちの贔屓のコンゴのラム酒、KWILUがスポンサーになっているコンペだから、というさもしい動機から夫婦でコンペ出場を決意。
池にボールを落としまくりで大スランプ中のわたしに、池ポチャ再使用の再生ボールとはいえ1個1米ドルもするんだぞー!!、と夫から厳しい言葉を投げつけられながらのプレイだ。

それでは、行って来ます!

0 件のコメント:

コメントを投稿