2013年9月30日月曜日

草の根無償プロジェクト~聖ガブリエル病院の病棟増築完成式へ

9月18日、キンシャサの草の根無償案件に携わる日本人女性職員の案内で、草の根無償資金により計画、実施されたプロジェクトの完成式に出席した。

聖ガブリエル病院の建物の屋根屋根(新病棟二階通路から望む)


そのプロジェクトは、「聖ガブリエル病院改修・拡張計画」とよばれるもので、平成24年度の”草の根・人間の安全保障無償資金協力”からの援助金で計画、実施されたものだ。

この”草の根無償”は日本の政府開発援助(ODA)のひとつなのだが、担当者から説明を受けて、他のODAと決定的に違う点があることを知った。
一般市民グループから要請書が提出され、その要請書を元に日本の草の根無償の現地担当者が当事者と面談し、現場に出向き、あらゆる方向から検討した上で実施が決定し資金援助額が決まると、案件実施過程は要請元の団体グループ自身の手に委ねられる、というのだ。
もちろん、援助資金が提供されるのだから、日本の草の根無償担当者は、現地に出向き、計画実施状況を見続け、かれらに助言を与えたりしながら計画過程を把握し続けるのだそうだ。

要請してきた現地の人たち自身の手で計画が実施される、ということの意義には深いものを感じる。と同時に、草の根無償の担当者の苦労に対しても、頭が下がる思いだった。
草の根無償担当の女性職員は、キンシャサに赴任して1年経つか経たないかで、キンシャサじゅうのあらゆる村落に訪ね入ったということを話してくれた。


さて、その聖ガブリエル病院は、2万7千人の住民を抱えるレンバ保健地区に建つ唯一の総合病院だと聞く。そこには、15人の医師と89人の看護士が働き、年間3万人の外来患者が訪れるのだそうだ。
キンシャサ中心地から空港方面に向かい、途中から脇道に逸れてしばらくいったところにある現地の人々の住む地区にある病院だ。
診察棟、入院棟などが狭い敷地内に点在していた。

完成式当日、入院病棟に入っていくと、あちこちで生まれたばかりの赤ちゃんに出会った。
新しい命誕生に明るいパワーがみなぎる病室だ。
もちろん、母子同室、というか、母子同ベッド!

4人目の出産とか。堂々とした母親で赤ちゃんも安心!

双子の赤ちゃんにも会う。
この病院の分娩費用は20米ドルという。
それを高いと感じるキンシャサ市民も多いだろう。
安定した経済基盤を持つ母親は表情も明るく、新生児の肌もつややかで元気だ。
聖ガブリエル病院では、一日平均3人の赤ちゃんが誕生するのだそうだ。

草の根無償資金で増築された二階建て新病棟にも行ってみる。

聖ガブリエル病院の新病棟の室内

二階部分が数室ほどの入院病棟になっている。
建物と設備のベッドまでが草の根無償の援助金でまかなわれたのだそうだが、蚊帳については病院側で準備されたと聞いた。
とても明るい、清潔な病室だ。

ある病室に入ると、クロスの上にイエスさま像とロザリオと聖書が置かれたサイドテーブルが目に留まった。わたしと同年代くらいの、小ざっぱりした身なりの女性の入院患者だった。かのじょが早く快復しますように。


さあ完成式が始まった。

聖ガブリエル病院・草の根無償資金プロジェクト完成式会場(新病棟二階から望む)

看護士たちや病院勤務の女性たちはこの日のためにお揃いの布地でドレスを作って身に着けている。入院患者もいるし、さきほどからお産が始まったと聞いたのに、病院敷地内は、結構なボリュームでリンガラ音楽が鳴り響いているのには違和感を覚えるが、コンゴ流儀なのだろう。

聖ガブリエル病院・草の根無償資金プロジェクト完成式会場と新病棟(正面二階建て建物)


オレンジ色のテントが張られた来賓席に、十字架を首に掛けたベルギー人(?)神父2人とアフリカ人神父がいた。
かれらは、キンシャサ市内にある聖ジョセフ職業訓練学校の教師なのだそうだ。
聖ジョセフ職業訓練学校は、平成23年度草の根無償資金を受けて新校舎が増築され、受け入れ生徒数が増えたのだそうだ。
左官、木工、溶接、電気工の4コースを持ち、建設技術者養成を目的とするこの学校の生徒と教師が実習を兼ねて、今度はやはり同じ日本の草の根無償資金を得た聖ガブリエル病院の病棟増築工事を請け負ったということだった。
草の根無償資金で広がる人的繋がりを感じて、思わずホットするものを感じた。


聖ガブリエル病院や聖ジョセフ職業訓練学校が受けた草の根無償協力の正式名称は、
「草の根・人間の安全保障無償資金協力」と言うのだそうだ。

外務省の政府開発援助(ODA)のHPによると、平成24年度(2012年)に実施された計画はアフリカ地域だけで203件にも上るのだそうだ。
アフリカ地域54カ国のうち39カ国が草の根無償資金を得て何らかの計画が進められている。
エチオピアの18件、タンザニアの14件、ウガンダの13件、南アフリカ共和国の11件と続く。
コンゴ民主共和国は同年度5件が挙がっている。
コンゴ民主共和国内では年にほぼ5,6件の案件が実施されるのだそうだ。

どんな案件が実施されているのかを見ると(平成24年度)、教育分野の97件が突出し、続いて医療保健分野の53件、給水・井戸21件、職業訓練・保護ケアセンター建設13件、農水分野11件などがある。
目に留まったものとして、ジンバブエ、コンゴ民主共和国カタンガ州、モーリタニアの3件の地雷除去計画というのがあった。


安倍首相が先日、国連本部で演説した内容には、女性の保健医療、紛争下での権利保護などの分野に3年間で30億米ドル超(3000億円)の政府開発援助ODAを供与することが盛られていると新聞記事で読んだ。
平成24年度の草の根無償の案件内容を見ても、安倍首相が挙げた分野の案件が多く挙がっていることに気付く。

もちろん、政府開発援助ODAは、草の根無償援助だけではない。
色んな形態の開発援助があり、その中のひとつとして草の根無償援助というものがある、ということにも目を向けられたらなと思った今回の訪問であった。


2013年9月29日日曜日

コンゴフラン紙幣の動物たち~川魚とマルミミゾウ

今回もコンゴフラン紙幣に描かれる動物のことを中心に。

前回、前々回で、新紙幣の二万コンゴフラン札と、1千コンゴフラン札の図案の動物について書いた。
カンムリヅル(ホオジロカンムリヅル)、コンゴキリン(二万コンゴフラン紙幣)、ヨウム、オカピ(1千コンゴフラン紙幣)の紹介だった。

では、その他の紙幣には、どんな動物が取り上げられているのだろう。


旧紙幣の図案から見てみよう。

50コンゴフラン紙幣

以前から存在する50コンゴフラン紙幣(上写真)の上部の図案には、「コンゴ河沿岸の漁師の村」と説明書きがある。
熱帯雨林迫る高床の木製住居とピローグ(丸木舟)、そして川魚が描かれている。
キャピテンとかナイルパウチとか呼ばれる、白身の川魚かと思われる。
下の図案は、どこかの地方のお面だと小さく書かれているが、読めない。
(旧紙幣には、各図案に説明書きが短く載っている。)

100コンゴフラン紙幣(下写真)も以前から存在する。
まず、写真下部(裏面?)の絵には、「インガダムⅡ」と記されている。
わたしたちが8月にマタディー、ボマへ行ったときに立ち寄ったインガダムだ。
キンシャサ大都市が消費する電力は、このインガダムでまかなわれる。
ここで発電される電力は隣国にも送電され、ダムの増設でさらにエジプトなどの遠方諸国にも電力を売り込もうという壮大な計画があるのだそうだ。
いかんせん、我らがコンゴ河(!)は全長アフリカ第2位、流域面積世界第2位という大河でありながら、小さな支流を除いてコンゴ民主共和国の一国だけで完結するという稀有の大河で、ダム建設に隣国との利権問題が一切発生しないのだと聞く。
コンゴ河を有するこの国は、水力発電資源も豊かなのだ。

さて、同じ100フラン紙幣に描かれるゾウのほうに話題を移そう。
図案下には、「ゾウ ヴィルンガ国立公園」と書かれているのみだが、コンゴ紙幣に取り上げられたからには、このゾウはIUCN(国際保護連合)により絶滅危惧種に指定された””マルミミゾウ”だと思いたい!


100コンゴフラン紙幣

マルミミゾウは、一見してアフリカゾウに似ているが、肩高2.1m~2.4mとアフリカゾウより小さく、耳はアフリカゾウよりは小さく、インドゾウよりは大きいのだそうだ。
コンゴ河下流域の森林地帯に生息するコビトマルミミゾウというゾウもいて、それはさらに小さいのだそうだ。会ってみたいなあ。
ただ、マルミミゾウの牙はふつう下方に向かって、あまり曲がらずに伸びるらしいから、この点で百フラン札の図案がマルミミゾウか疑問が残る。

また、マルミミゾウをアフリカノゾウの亜種とする場合、草原に生息するアフリカゾウを”ソウゲンゾウ”と呼び、これに対して森林地帯に生息するマルミミゾウを”シンリンゾウ”と呼んだりもするそうだ。
下の写真が、絶滅危惧種のマルミミゾウ(シンリンゾウ)だ。
この紙幣に描かれるゾウは、カメルーンからコンゴ、アンゴラにかけての森林地帯に生息するといわれるマルミミゾウだと思うのだけどな。

マルミミゾウ(シンリンゾウ) インターネット動物図鑑より

なんだか、”マルミミゾウ”という名まえからして、放っておけないかわいらしさを感じる。
絶滅危惧種に指定されてもいるし、思わず「がんばれ!」と声を掛けたくなる。
実際、マルミミゾウの象牙はハード材と呼ばれ、印鑑や三味線のばちの材料として重宝されてきたのだそうだ。現在では、マルミミゾウの象牙の売買は全面的に禁止されている。
にもかかわらず、現地では密猟が絶えず、マルミミゾウは生存の危機に瀕しているというのだ。

「知られざる森のゾウ ーコンゴ盆地に棲息するマルミミゾウー」(ステファン・ブレイク著、西原智昭訳、現代図書)という本が日本で出版されていることを知った。
ぜひ読んでみたい本だ。


ここで今日はひとまずお仕舞いにする。
これから、夫とゴルフコンペに参加するのだ。
わたしたちの贔屓のコンゴのラム酒、KWILUがスポンサーになっているコンペだから、というさもしい動機から夫婦でコンペ出場を決意。
池にボールを落としまくりで大スランプ中のわたしに、池ポチャ再使用の再生ボールとはいえ1個1米ドルもするんだぞー!!、と夫から厳しい言葉を投げつけられながらのプレイだ。

それでは、行って来ます!

2013年9月24日火曜日

1千コンゴフラン新紙幣~ヨウムとオカピ

今日も、コンゴフラン紙幣の図案の続編を。

新札の1千コンゴフランは全体が淡いオリーブグリーンの紙幣だ。
”BANQUE CENTRALE DU CONGO”、コンゴ中央銀行、と見える。

そして、表裏それぞれにヨウムとオカピの絵が描かれている。

1千コンゴフラン新紙幣の表裏の図案
上部写真の上(こちら側が裏?)の図案はコンゴのインコである”ヨウム”ととうもろこしだ。
そして紙幣の左下に薄く印字されている”1000F”の下には、コンゴ民主共和国の国語である、リンガラ語、スワヒリ語、チルバ語、キコンゴ語の四言語で、「1千フラン」と書かれているのだそうだ。
右下隅には、フランス語で”MILLE FRANCS”、1千フラン、と記されている。

上部写真の下(裏?)には、ヤモリ?が二匹載った蓋付き器をコンゴ人部族二人が抱えたデザインの木彫り民芸品と、オカピが2頭描かれている。

オカピはコンゴ民主共和国の北東部に生息する動物で、世界三大珍獣のひとつなのだそうだ。
(ちなみに、三大珍獣とは、オカピ、ジャイアントパンダ、コビトカバ。)
コンゴ北東部のオカピ生息地として有名なのが、「オカピ野生生物保護区」で、世界遺産の中の自然遺産に1996年に登録され、更にこの地区はスーダン、ウガンダとの国境付近にあり、密猟、森林伐採、武力抗争などの理由で、翌1997年には”危険にさらされている世界遺産リスト”に登録されている。

自然溢れるコンゴ民主共和国内には、5つの世界自然遺産が存在しているそうだ。
ヴィルンガ国立公園(1979年登録)、ガランバ国立公園(1980年登録)、カフジ=ビエガ国立公園(1980年登録)、サロンガ国立公園(1984年登録)、そして、オカピ野生生物保護区(1996年登録)の5つだ。
そして、そのどれもが”危機にさらされている世界遺産リスト”に入っている、というのだ。


下の写真がオカピだ。シマウマの仲間と思っていたら、さにあらず。
キリンの仲間なのだという。


世界三大珍獣ひとつ オカピ (wikipediaより)


さて、もう一度、1千コンゴフラン札のもう片面の図案を見てみよう。


1千コンゴフラン新紙幣のヨウム

ヨウムとは、「ガーナからビクトリア湖周辺、アンゴラからコンゴの森林地帯に分布する大型インコ」(wikipedia)とある。
体長は約33cm、体重300~500g程度。体の大半は淡灰色の縁取りのある灰色の羽毛に包まれている。嘴は黒色、赤い尾羽を持つ。

平均寿命50年前後と言われ、知能が高く、人の言葉をよく覚える種として名高く、飼い鳥として人気があるという記載も見られる(wikipedia)。
リンガラ語で”チャクゥ”と言い、キンシャサの空を独特の鳴き声で飛びまわっているのをよく見かけ、耳にする。コンゴの人々には食用ともなるようだ。


で、我が家のヨウム、ぽん!

餌の落花生とパームヤシの実ととうもろこしを啄むぽん 9月2日

ぽんが我が家に来たのが昨年の12月19日。
かれこれ9ヶ月になる。
来たばかりのときは、体毛が全体に黒っぽい灰色で、もっと小さかった。
ずいぶん慣れてきたかな。

と思っていたら、がぶり!!、とわたしの右人差し指を噛んだ!!
2週間ほど前のことだ。
体毛に自分のウンチを大量に付けて平然としていたから、スプレーで久しぶりにシャワーを浴びせたら、ぎゃあぎゃあ騒いだ。
その後、わたしが下に敷いていた濡れた新聞紙を取り替えようとして鳥かごの中に手を入れたときにがぶり!!
まあ、かれなりに手加減して噛みついたのだと信じるが、それでもしばらく痛みは続いた。
(かれの嘴は強靭で、鳥かごに敷いている鉄板を端から噛みちぎって大きな穴を開けている!)
いつになったら、わたしの肩に載ってくれるのやら・・・。

しかも、一言も言葉を覚えない!
ぽんめ・・・。

友人が1千コンゴフランの新札をごっそり(!)持っていた。
我が家のヨウムのスーベニールにしたいからと、2,3枚換えてもらった。
ヤッホー!

2013年9月20日金曜日

カンムリヅルとホオジロカンムリヅル

わたしが住んでいるアパートの庭に4羽のカンムリヅルが放し飼いにされている。

濃いグレーの体に頭頂部は黒。羽を広げると白い。
一般的なカンムリヅルは、頬の上部が白く、下部は赤色をしているらしいが、我が家のアパートのカンムリヅルは頬は白く、頬上部と喉のところが赤くなっているのはどうしてだろう。
日本のツルと容姿はそっくりだが、色が違うことと、頭部の、人間で言うつむじのあたりに冠羽があるのが決定的な違いだ。

我が家アパート庭のカンムリヅル
羽を広げたカンムリヅル

プールサイドに集まった4羽のカンムリヅル


・・・と思って再度ネットで調べてみると、頬が白く、上部と喉部分が赤いのは、「ホオジロカンムリヅル」だということが判明!
ホオジロカンムリヅルのほうがグレーの色合いが明るいとも記されている。
そう考えると、ここのはホオジロカンムリヅルだと考えられる。


まず「カンムリヅル」、について。
生息地域はサハラ砂漠以南のアフリカ中央部、西部。
乾燥したサバンナ地帯に生息するが、湿地や湿潤な草原などにも生息するらしい。
ホオジロカンムリヅルに似ているが、頬上部は白く、下部はピンク色をし、体の色も黒味が強い。
かつてカンムリヅルはナイジェリアの国鳥として多く生息していたが、現在カンムリヅルは国際自然保護連合により、準絶滅危惧種に指定されている。

次に、「ホオジロカンムリヅル」、について。
生息地域はサハラ砂漠以南のアフリカ東部と南部。
サバンナや湿地帯に生息。
特にウガンダ、ケニア、タンザニアといったアフリカ東部に多く見られる。
ウガンダでは国鳥に指定され、国旗の中央にもその姿が描かれている。
頬は白色でその上には赤色の模様があり、さらに喉に鮮やかな赤色をした自由に膨らますことのできる袋を持っている。
また、アフリカ東部と南部のホオジロカンムリヅルは微妙に違いがあり、東部に生息するものの方が白い頬の上の赤い模様が大きいという。
とはいえ、繁殖期になるとホオジロカンムリヅルの頬は白から赤へと変化し、気に入った相手に対して互いに羽を羽ばたかせたり、飛び跳ねたり、お辞儀をしたりして求愛のダンスをするらしい。このようなダンスは繁殖期以外にも仲間同士のコミュニケーションのためにも踊るとも記されている。
また、かれらは喉の赤い袋を膨らませて独特の低い声で鳴くのだそうだ。
現在、野生では58000~77000羽のホオジロカンムリヅルが生息していると考えられ、その数も安定しているとも言われるが、アフリカでも開発、汚染が進むと近い将来に生息状況に影響が出るのではと危惧されているそうだ。

この二種の共通の特徴として。
ともに雑食性で、草や穀物の種子のほか、昆虫、爬虫類、小型哺乳類などを捕食し、家畜の群れが多い畑などの近くで菜食する傾向があると記されている。
どちらも名まえの通り、頭部に放射状に生える黄色の冠羽を持つ。
背の高さは双方とも1m、体重3.5㎏ほどで、雌雄ともに体の大きさは変わらないが、雄のほうがわずかに大きくなるそうだ。
また、かれらの脚の指のうち1本は後ろに向かって生えており、かれらはこの指と残りの指を使って木の枝をつかみ、枝の上に体を固定することができるのだそうだ。
他のツルの仲間は木の枝にとまることはできないらしく、このため、ホオジロカンムリヅルとカンムリヅルは現存するツルの中で最も原始的な種であると考えられているということだ。
また、一度に2~5個の産卵がみられ、その数はツルの中で最大で、雌雄ともに卵を抱くということも二種の共通点だ。
そして、ともに留鳥(渡りなどの季節的な移動を行わず、一年中ほぼ同じ地域にすむ鳥)だということだ。

このカンムリヅルだかホオジロカンムリヅルだかどちらか分からないが、今年に入ってできた高額の新紙幣(それまでの最高額紙幣は五百コンゴフランだった!!)のうち、最高額の二万コンゴフラン紙幣にどちらかのイラスト図案が描かれている。
じっと観ると、ホオジロカンムリヅルのように見える。


高額の新札に印刷されたホオジロ(?)カンムリヅル 左はパーム椰子の木と実


わたしの財布に今まで転がり込んできた二万コンゴフランは五月半ばだったか、そのたった一回だけ。
フランス人マダムから刺繍材料のお釣りとしてもらったのが、この二万コンゴフラン紙幣だった。
新紙幣が物珍しくてしばらく引き出しに仕舞いこんで時々引っ張り出しては見入っていたが、紙幣は流通させてこそ生かされる、と思い、ずいぶん経ってから手放した。(何でも収集癖ありなもので・・・。)

二万コンゴフランは換算すると22米ドルほどだ。(1米ドル=約920コンゴフラン)
それまでの最高額紙幣が五百コンゴフランだったから、二万コンゴフラン分の買い物をするとき、五百コンゴフラン40枚が必要だった。
(コンゴ人は一度にそんな多額の買い物はしないだろうけど。)
それが二万コンゴフラン紙幣が登場したお蔭で、支払いにこの紙幣一枚で済むようになったということだ。
(五百コンゴフラン40枚!、なんてそうそう用意できないから、そういうときは米ドルを使って支払うことが普通にできる。この国は、自国通貨のコンゴフランとアメリカドルの二重通貨構造になっている。)

新紙幣として、二万コンゴフランの他に、一万コンゴフラン、五千コンゴフラン、1千コンゴフランも現れた。
(旧紙幣には、五十、百、二百、五百コンゴフランまでの4種類しかなかった。硬貨は存在しない。)


ちなみに、この二万コンゴフランのもう一方 (こっちが表?)の図柄は、コンゴキリン。コンゴキリンも希少動物なのだそうだ。

コンゴキリンの図柄が載る二万フラン紙幣

ということで、次回はコンゴフラン紙幣の図案を新旧併せて紹介しよう。
乞うご期待!?

2013年9月10日火曜日

L’éléphant vert: キンシャサのプランターと、絵本「リネアの小さな庭」の思い出

L’éléphant vert: キンシャサのプランターと、絵本「リネアの小さな庭」の思い出:

キンシャサの茄子は灰汁(あく)が強くて美味しくない、とfacebookに愚痴をこぼしたら、それでは日本の茄子を種から植えて自分で育てるしかないよ、と日暮里で動物病院を開院し、本格的な家庭菜園、そして養蜂までしている獣医さんが茄子の種を吟味してはるばるキンシャサまで郵送してくれたの...

2013年9月7日土曜日

中国の衛星放送サービス StarTimes

わたしたち夫婦のキンシャサ滞在も1年8ヶ月が過ぎた。


今までずっと我が家は、テレビ視聴に関しての話だが、”Canale+”というフランスの衛星テレビ放送サービス会社と契約をしていた。
多分、キンシャサで最大手の衛星放送サービス会社だ。
受信機械を100米ドルで購入し、さらに屋上にパラボラアンテナを設置し、月に50米ドルを支払って視聴していた。
料金設定の選択でフランス語放送しか視聴できず、コンゴのテレビ局の映像は極めて悪かった。

そのうち、Canale+を通してのテレビ受信状態が悪くなり、修理にかかる費用が嵩んだ。
ここ2,3ヶ月の間に3度ほどCanale+の会社から修理に来てもらったが、結局、直らないままだった。わたしは、テレビ番組に全く興味を失くした。


そして、昨夕のこと。
夫が”StarTimes”と書かれた箱を抱えて帰宅した。
街の看板広告で気になっていた中国の衛星放送サービス会社なのだと言った。

中国の衛星放送サービス会社StarTimesの受信機械


箱から、シンプルな衛生放送受信の機械を出して簡単に設定し、テレビのスイッチを入れた。
久しぶりに観るきれいな画面。
なんと、中国語放送も視聴できる。(ドラマや歌謡番組もやっていてちょっと興味津々だ。)
コンゴの放送局のチャンネルもきれいな画面が受信できる。
コンゴの放送局で流れるコマーシャルのおもしろいこと!
この国だってすごいCM制作の技術を持っているんだ、と初めて認識し、軽い衝撃がはしる。

今まで見慣れていたフランスからの世界向けの放送局”France24”もしっかり視聴できる。

なにより驚くのは、中国本国からの”CCTV francais”という世界向けのフランス語の放送局がある、という事実だ。
今夜は、ずっとロシアで開催されていた”G20”の映像が流れていたが、もちろん中国の習主席とアメリカ代表のオバマ大統領のツーショットがほとんどなのだ。他に、ロシアのプーチン大統領、ドイツのメルケル首相の映像が出るくらいで、あとはずっと習主席とオバマ大統領の親密場面ばかり。
Japanの”J”の字もかすめず、安倍首相の影すら出ないことに驚愕。

中国のテレビを通じての国力のPRはすごい!、と感服した。


さらに!
このStartimes衛星放送サービスの料金設定もまた良く考慮されていて、コンゴのちょっと上の階層の家庭にも手が届くくらいの低価格料金なのだ。

受信機械の購入に40米ドル。
アンテナは不要。
1ヶ月に10米ドル(9100コンゴフラン)を払うだけ。
それでフランスの放送チャンネル,中国からの放送チャンネル、そしてコンゴの放送局のチャンネル計21局が視聴できるのだ。

夫の会社の運転手が、月10米ドルで充実したフランス語放送が視聴できるなら、我が家も加入するかなと言っていたという。

初期投資(受信機械購入)の40米ドルはちょっと手痛いが、月10米ドルできれいな画像を視聴できるとあれば、コンゴ人の間で話題になるのも理解できる。
StarTimesが1ヶ月前にサービスを開始してすでに加入者が8000件を越えたというのだから驚異的な広がりだ。

この衛星放送サービスが滞りなく続くようであれば、中国製品の「安かろう悪かろう」イメージも払拭できるばかりか、中国本国から放送されるフランス語放送で中国の国力、技術が目の当たりにでき、コンゴで中国のイメージは確実にアップされること間違いナシだ。

あーあ。
日本にもがんばってほしいなあ。

2013年9月5日木曜日

L’éléphant vert: 小説 「風に立つライオン」

L’éléphant vert: 小説 「風に立つライオン」: 今日は絵本でなく、アフリカを舞台にした物語の話題を。 さだまさし作詞作曲の歌 ”風に立つライオン”がとうとう小説になった。 小説「風に立つライオン」表紙 この”風に立つライオン”は、ケニアに医師として赴任して3年、苦悩しながらも真正面からアフリカの人々と向き合い...