ナイロビから来たバラの花 |
キンシャサに、花屋がある。
と書くと、当たり前でしょー!、と思われるかも知れないが、30年近く前のカトマンズにも、20年近く前の中央アフリカのバンギにも花屋がなかったから、キンシャサに花屋があると聞いたときは、飛び上がらんばかりに喜んだ。
中央アフリカ、バンギでは町じゅう探しても可憐な”草花”というものを目にすることがなく、存在するのはがっしり頑丈な”樹木の花”だけだった。ジャカランダの紫色の花、アカシアの黄色い花、燃えるような火炎樹の赤い花。
そんな力強い熱帯の花を思い出す。
いろいろな樹木の花の名前を覚えたくて、バンギの人々に「この花は何と言う名前なの?」と尋ねると、平然と彼らは、「fleure jaune!!(黄色い花)」,「あ、それは、fleure rouge!(赤い花)」・・・。
誇らしげに言うかれらに、がっくりきていたのを懐かしく思い出す。
キンシャサに来た当初、スーパーマーケットの前の屋台で熱帯の花をブーケにして売っているのを見て、やっぱりキンシャサでも、熱帯の花しかないんだなと思った。
そしてわたしは、20年前のナイロビにはバラの花でいっぱいの花屋を見かけたことを思い出していた。
そうしたら、知人から ”ZIMBALI FLOWERS” という花屋が ”le Cercle Francais”の近くにあると教えられた。
ZIMBALI FLOWERS 店内 |
毎週木曜日、金曜日の午後にキンシャサのンジリ空港にナイロビ、南アフリカから到着する、と聞いた。ピンクや赤や黄色のバラ、白百合、カーネーション、菊などの花が空輸されるのだ。
この国は土葬で構えが立派な墓が多いが、その長方形の墓の上に平たい形をした大きな楕円風の花輪を置く。そんな大きな花輪の注文が入ると空輸されてきた花たちは、たちまち姿を消してしまうのだそうだ。
萎れて売れ残っているように見えるバラの花でも、決して安くしてくれない。
バラの花の定価、一本4ドル也!
冒頭の写真のバラは、空輸されてきたばかりというのを8日前に買ってきたバラだ。
3,4日で花の直下の茎がだらりと下がってきたので、そこを切ってガラス容器に浮かべた。毎朝水を替えて茎先を少しずつ切っていとおしんでいる。
それからもう一箇所、スーパーマーケット”SHOPRITE”の駐車場内にある、”Fleuranie”という花屋もあることを知った。
アニーさんというベルギー人が経営する花屋らしく、キンシャサ中心街に本店があるということだ。
毎週火曜日、金曜日の朝、ベルギー、南アから花が空輸され、午後には店先に並ぶと聞いた。
やはり、バラ、カーネーションが中心だ。
ナイロビでバラの栽培、とは意外かもしれないが、今ではナイロビはバラの産地となり、バラのプリザーブドフラワーの技術はすばらしいのだそうだ。
どちらのお店にも、蘭などの鉢植えや植木、そして花瓶、鉢なども置かれている。
キンシャサには、グランドホテルの近くなどの路上で、熱帯植物の植木や苗木も売られている。
わたしたちが住むアパートの庭も定期的にそれらの植木、苗木が運ばれてきて、庭の手入れには怠りがない。
部屋に生花が一輪でもあると、空気が生き生きとしてくるのを感じる。
毎日の生活の中で、花に目が向くようになったのは、ちょっとした楽しみを味わう余裕みたいなものが出てきたのかな。
一昨日、我が家にある唯一の一輪挿しのオレンジのガラスの花瓶の横に、見かけない白色と擦りガラスの、縁がフリルになったかわいらしい花瓶が置かれているのに気づいた。
もしかしたら、夫が買って来た花瓶なのかな・・なかなか気が利いてよろしいこと!!、と思っていたら、夕方になって忽然とその花瓶が消えた。
どこを探してもない!
夫に、その花瓶をことを訊いてみた。
へ~そんな花瓶、買ったこともないし見たこともないよ。
わたしの頭がとうとう変になったか・・・みたいな哀れみの目を向ける夫。
おかしいなあ・・・確かにここにあったのに。
夜、晩酌をしていて、「ふ・」とリビングの照明に目が行った。
あ・・・。
なんと、わたしが可憐なフリルの花瓶だ、と思っていたモノは、壁に取り付けられていた照明のガラスカバーで、夫が電球を換えるのに棚の上にポン!と置いた照明カバーが花瓶に見えた、というだけのことだった。ガッカリ。
ご夫妻のマジックで幻の花瓶が現れたのですね!
返信削除日本のように、お花が国内のものも
海外から空輸されてくるものでも
色とりどり、いつでも何でも手に入るなんて
ほんとうに贅沢なことなのですね。
ありがたく思わなくてはと思いました。
昨日、うすい黄緑色のアジサイを1輪買ったところでした。
日本に帰られたら、季節のお好きなお花を
愛でる楽しみを、いちだんと感じられることでしょう♪
ピンクのバラと赤い敷物で
テーブルがとても華やいでいますね!