2017年4月10日月曜日

キンシャサ便りふたたび28 オジギソウ、見つけた


キンシャサ・ゴルフクラブで見つけたオジギソウ

オジギソウ。
わたしが小学生の頃、宝物のように思っていた植物。
ずっと、オジギソウは夏になるとそこらじゅうに生える雑草だと思っていたが、どうも記憶違いだったかも、と思えてきた。オジギソウを知らないという友人も、道端に生えているのを見たことがないという友人もいる。もちろん、日本人の友人だ。
はて?
考えてみると、鉢植えで大切にじっと見入っていた記憶もよみがえってくる。

まず、オジギソウについて調べてみると。
マメ科の小低木。
園芸では一年草として扱われ、高さ20~90cm。
葉は羽状複葉で、ものが触れると急に閉じて葉柄から垂れ下がり、また夜になると閉じる。
夏、桃色の小花が球状に集まった花を付ける。
ブラジル原産で、日本には江戸末期に渡来。
ねむりぐさ、とも言われ、夏の季語。

わたしは、小学生の頃、種が飛んで道端で芽を出すひまわり、コスモス、オシロイバナ、三色すみれ、ホウセンカ、百日草、キンギョソウ・・・名前を挙げると限りなく続いてしまうくらい(!)園芸植物を根っこごと抜き取ってきて、「わたしの花壇」に移植して、一本一本に咲く花を楽しみ、花が枯れて種ができると種を大切に保管して、翌年、花壇にその種をまくのも楽しみだった。
オジギソウはその中の園芸植物の一つだったのかもしれない・・・。

あるいは・・・。
ある時期、オジギソウは月刊誌「科学」(学研)の付録になって、大人気の園芸植物になって、あちこちで見られた、という記述も見つけた。
さもありなん!
小学生のわたしには、さわると葉っぱが閉じる、というか、植物なのに「動く」という”草”が不思議でならなかった。(食虫植物なんて存在もまだ知らない頃だった!)
わたしはあの頃、雑誌「科学」の大ファンだった。

でも、道端でも見つけられた気もするのだが。
あ!オジギソウだ、と思うと、咄嗟に手が出て葉っぱに触り、葉っぱが動かなかったらがっかり、しょんぼり~なんてことが結構あったようにも思う。
同じような葉をして、同じような名前の付く低木の”ねむの木”の葉っぱは決して動かなかった!


前置きが長くなったが、そんなわたしの宝物のように思ってきた「オジギソウ」にまた、キンシャサでも出会ったのだった。
今年3月7日。キンシャサ・ゴルフクラブの12番ホールから13番ホールに向かう道端で。
あ、オジギソウだ、と思って葉っぱに手を伸ばすと、しっかり葉っぱは閉じたのだった。
1993,4年頃、中央アフリカ共和国に家族で滞在していた時、首都のバンギからちょっと離れたところにピクニックに行ったときにも草むらに、オジギソウを見つけた。
アフリカにもオジギソウが生えている!!!その時の感動もよみがえってきた。

でもねえ。日本人の感性にはまいるなあ。
葉っぱが閉じる、イコール、「おじぎする」と考えるのだもの。
それで、命名したのか! オジギソウ!
これまで、滞在してきた国で、挨拶の時にぺこりとおじぎをする国の人たちを知らない。
コンゴのこの国で、一度、ぺこりと体を曲げて挨拶をする光景を見たことがあった。その時に尋ねると、昔(?)、どこかの王国の中に、酋長さんにぺこりと体を曲げて挨拶をするところがあったのだということだった。

では、このオジギソウのことを、コンゴの国の人たちはどう呼んでいるのか。
ゴルフのわたしのキャディによると。
リンガラ語(キンシャサ周辺の国語)では、”MATITI”、マティティ。
スワヒリ語(かれの出身地ルブンバシや東部のほうの国語)では、”MAYANI”、マヤ二。
かれらのだれもがよく知っている植物だ、と言う。
マティティ、マヤ二、にはどんな意味があるの?、と訊いてみた。
そしたら何と、ただ「葉っぱ」という意味だと言う。
どんな植物の葉も、マティティ、マヤ二、なのだそうだ。
花、はどんな花も、「花」。
ただ。それだけ。

はー???
大ざっぱすぎー!!!!!
確かに、中央アフリカ共和国滞在時、この花の名前は何?、と訊くと「黄色い花です。」、「赤い花です。」という答えしか返ってこなかった。
それに比べて、日本人なんか、ありとあらゆる植物に名前がある。
”ホトケノザ”なんて、ホントに仏様が座っているかのようで、なるほどなあ、と感心するネーミングだった。
”フタリシズカ”、”ヒトリシズカ”にも恐れ入り谷の鬼子母神だった!
日本人が繊細すぎる?

ちなみに、それぞれ、リンガラ語、スワヒリ語の”ボンジュール”は、”MBOTE”、”YAMBO”。
かれらは、葉っぱを閉じることを、挨拶をしている、とは捉えていない、どころか、単なる「葉っぱ」なのだなあ。

日本人は、挨拶をするとき、体を曲げて挨拶をするのよ。
この草は、触ると葉っぱを閉じるでしょう~こんにちはと握手をすると、日本人のする挨拶のように、ね。体を曲げて挨拶をすることを、日本語では「お辞儀をする」というから、この植物のことを、わたしたち日本人は、「オジギソウ」というのよ。
~こんな私の説明に目をまん丸くして聞き入るキャディたち。
今では、なぜだか、わたしの近辺のキャディたちは、「OJIGI-SO」と言って挨拶をしてくる。

キンシャサ・ゴルフクラブには、日本と同じ、つゆくさ、も見かける。
同じ青いきれいな花を付けて品よく咲いている。

熱帯の植物というと、ハイビスカスなど木に咲く大柄の花しか想像しないが、キンシャサ・ゴルフクラブには日本で見かけるひっそりした草花も咲いていてうれしくなる。

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