キンシャサの”ミシリ” |
「ミシリ」という山菜だ。
上の写真がその「ミシリ」だ。
一束300コンゴフラン。日本円で50円もしない。
1束20本くらいはある。
長さが分かるように置いた歯ブラシが17cmだから、ミシリの全長は30cmほどだろうか。ただ、下の方は茎は堅いから数センチは切って捨てる。
アクが相当強いらしいが、地元の人たちにはポピュラーな野菜だということだ。
昨年9月にわたしが夫より3か月遅れてキンシャサに入ったとき、こっちで見つけたゼンマイで佃煮を作ってみたと食卓に並べてくれたのが「ミシリ」との初めての出会いだった。
夫が調理した「ミシリ佃煮風煮」 |
なかなか美味しい。舌触りもいい感じだった。
ビールにも合う。
夫曰く~
沸騰した湯に重曹を入れて茹で、冷水にとって洗い、新しい冷水に浸けて冷蔵庫に入れて一晩置く。翌朝、水は真っ黒になっている。そのミシリを切って、油で炒め、しょうゆ、砂糖、だし粉で味付けする。クックパットで検索したレシピらしい。
ここで、ハタ、と気づいた。
この「ミシリ」は、日本のワラビなのか、ゼンマイなのか。
調べてみると。
<ワラビ> コバノイシカグマ科のシダ植物で、草原、谷地、原野などの日当たりの良いところに群生する。採集時期は4月中旬から6月上旬頃。
新芽は食用にされ、ぬめりがあり、くせのない味がする。アク抜きの後、すぐに食べられる。
<ゼンマイ> ゼンマイ科のシダ植物で、山野の渓流のそばや水路の脇など水気の多いところに生える。採集時期は3月中旬から6月上旬頃。
新芽は食用にされ、独特の食感がある。アク抜き後、すぐに食べられない。アク抜き→揉んで乾燥、を繰り返す。
新芽の外観上の最大の違いは、<ワラビ>は小さな芽が3つある。<ゼンマイ>は大きなうずまき状の芽が1つ。
<ワラビ>は緑色もしくは紫色だが、<ゼンマイ>は産毛のような茶色の毛に包まれているので茶色または深緑のような色、ともある。
また、<ワラビ>には微量だが発がん性物質ブタキロサイドが含有されているが、<ゼンマイ>には含まれていないそうだ。
値段は、 ” ワラビ<ゼンマイ ” なのだそうだ。生えている場所(探す場所)を考えるとうなずける?
では、キンシャサの「ミシリ」はどうか。
ぬめりはないし、小さな芽が3つということもないから<ワラビ>ではない。
でも、産毛もないから<ゼンマイ>でもない?
ふむ。
ワラビ、はたまたゼンマイか。
日本には存在しないシダ植物だということにしておこう。
日本は春分の日が過ぎ、桜前線北上中なのだろう。
キンシャサは南回帰線と北回帰線に挟まれた南緯4度に位置するから、この頃にちょっと不思議な現象が起こる。
日本の春分日の直前あたりに太陽の南中高度がぴったり(かどうかは知らないが)90度になることがある。つまり、南中時刻に影がなくなる、ということだ。
そして。その後、しばらくは、太陽は東から昇って、北側(!)に軌道を取って西に沈むのだ。
つまり、日差しは北向きの窓から入ってくることになる。
春分の日の直前あたりから夏至を過ぎ、ふたたび秋分の日の直後くらいまで、太陽の軌道は北側を通る、という日本人として育ったわたしにはまことに摩訶不思議な現象がみられるのだ。
そのことに気づいたのは、子どもと一緒に家族で過ごした中央アフリカ共和国のバンギでのことだった。
バンギは北緯4度。やはり、南回帰線と北回帰線に挟まれたところに位置する。
子どもたちの理科の教科書で、頭をひねくり回して一緒に考えた。
日本は、北回帰線からも外れて北に位置する国だから、一年を通して、南中高度は変わるけど、毎日毎日、太陽は東から顔を出すと南側(!)を通って西に沈んでいくのだ。
そんなこと、考えもしなかった、25年前まで!
ああ、わたしたちは地球に住む地球人なんだー!、と実感したのだった。
なんて。
とんでもない方向に話は進んでしまった。
でも、いちど、熟考されたし!
昨夜、更新したつもりの「キンシャサ・ミシリ」のブログが削除されていることに気づき、今朝早く起きて、もう一度書いたブログ記事でした。
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