2013年10月21日月曜日

コンゴフラン紙幣に描かれた動物たち~その4(最終編)

今回で、「コンゴフラン紙幣に描かれた動物たち」シリーズ(!)の第4回目。最終編だ。

今まで、20000コンゴフラン新紙幣のカンムリヅル、コンゴキリン。1000コンゴフラン新紙幣のオカピ、ヨウム、100コンゴフラン旧紙幣のマルミミゾウ、50コンゴ旧紙幣の川魚について書いてきた。


ではまず、5000コンゴフラン(おそらく以前から存在した紙幣)の図案から始めよう。

すぐ下の写真はホロホロチョウと、コンゴ料理のリボケ、シクワンガが描かれている。
ホロホロチョウはアフリカ大陸に分布する食用鳥だ。滑稽な様相と体の水玉のような模様がおもしろくて装飾用置物のモチーフに使われたりする鳥でもある。
ホロホロチョウと一緒に描かれているのは、代表的なコンゴ料理のリボケ(単数形でリボケ。複数形はマボケというらしい。)とシクワンガだ。
「リボケ」は、大きな葉に川魚、アンティロープ、赤道州のほうでは蛇などの動物性たんぱく質を使い、トマトなどの野菜と共にスープストックなどの旨味成分と塩味を加えて調味し、紐で結わえられて蒸し煮のあと、火にかけられて蒸し焼きされる。
紙幣に描かれたものは、蒸し焼き中のマボケたち(複数)だ。
そばにゴロンと転がっている、「シクワンガ」は、現地の人たちの主食、マニョックを練って大きな葉に包んで蒸された、日本の”ちまき”のような食べ物だ。リボケのスープをつけながら食べるとなかなかイケル。
ホロホロチョウを傍に持ってきたところを推測すると、このリボケのホロホロチョウ入りも美味しいですよ、というメッセージにも受け取れる。(ような気がする。)


5000コンゴフラン紙幣裏:ホロホロチョウと、コンゴの食物・リボケ

5000コンゴフラン紙幣表:シマウマと、木彫り民芸品


そして500コンゴフラン紙幣の片側に描かれた動物は、シマウマ。
シマウマと言っても、よく観ると、縞の幅が太いのが分かる。
これは、グランドシマウマの中の、アッパーザンベジシマウマという種類のように思われる。
コンゴ民主共和国、アンゴラ、ザンビア西部の限られた地域に棲息する種類だということだ。



さて、次に10000コンゴフラン紙幣の中の動物を見よう。

新紙幣のこの中には、バナナの木とバナナ(普通のバナナは規則正しい方向性を持って、ずらっと下に房が並んでいる。これは料理用のバナナであるバナナ・プランテのように思われる。)と、くちばしの長い、そして尾も長い、黒っぽい小鳥が描かれている。
最初、わたしは、この鳥はハチドリだろうかと思っていた。中央アフリカのバンギには、胸の部分が赤と青の美しい毛を持った体の真っ黒の、そしてくちばしが長い、小ぶりな体の小鳥が、我が家のアパート周辺のマンゴの木によく集まっていた。
この紙幣のイラストだけでは真っ黒なのか、或いは色が入っているのかはわからないが、おそらく”タイヨウチョウ(サンバード)”の一種だろうと思われる。
タイヨウチョウについて調べてみた。

”アオノドタイヨウチョウ”
スズメ目タイヨウチョウ科。全長14cm。
カメルーン南部からコンゴ民主共和国、ウガンダの一部まで分布。
森林、河辺林、木々の茂る庭園などに棲む。
全体はほぼ黒色で、喉と額のみ、緑色の金属光沢をもつ。

”ニシキタイヨウチョウ”
タイヨウチョウ科。全長14cm。
西アフリカ南部からコンゴ共和国北部までの熱帯雨林からサバンナに分布。
頭部から胸にかけて緑色に青紫がかり、胸に赤い太い帯がある。腹部と翼は黒い。

”ブロンズオナガタイヨウチョウ”
タイヨウチョウ科。全長22cm。
ケニア、ウガンダ、タンザニア、アンゴラ、ジンバブエの1000mから2800mまでの山地の常緑の森林の林縁部や、隣接する草地に断続的に分布。
日光を浴びると、緑から金色の金属光沢が現れる。
全身は黒色でくちばしと尾羽は長い。

これらのどれかではないかと思うのだが、どうだろう。

10000コンゴフラン新紙幣裏:タイヨウチョウと、バナナ

10000コンゴフラン新紙幣表:水牛と、木彫り民芸品


片面には、水牛が描かれている。この水牛もコンゴ民主共和国に棲息する特有種なのだろうか。



動物の絵ではない紙幣のイラストとして追記すると・・・。

200コンゴフラン紙幣(旧)には、必ず一村に一台は設置されていたという情報伝達用の伝令太鼓(LOKOLE)をたたくコンゴ人の姿。
片面には、くわを持って農地を耕す青年と若い女性の農作人”L'AGRICULTURE”の姿だ。
手前に、胸に当て布をし、腰にパーニュ(腰巻)を巻いている若い女性が描かれている。
我が家の家政婦は、おそらく夫婦だろう、そして赤道州の米作農地だろう、と言うのだが、彼女の推理は当たっているか。ともあれ、この若い農作人の姿にこの国の希望を見る思いがする。


200コンゴフラン紙幣 裏表


500コンゴフラン紙幣(旧)には、この国の主要輸出鉱物の一つ、ダイヤモンドの採掘風景とカットされたダイヤモンドが描かれ、片面にはどこかの村落の様子が描かれている。

500コンゴフラン紙幣 裏表


また、同じ500コンゴフラン紙幣には、独立50周年記念紙幣もある。
この国の独立は、1960年6月30日だから、この50周年500フラン紙幣はおそらく2010年発行のものだろう。
これには、コンゴ河の河口から約150km上流、アンゴラとの国境近くに位置する港湾都市マタディMatadi港が描かれる。
片面はというと、何故だか、"pont de KINSUKA"と小さく説明書きが添えられた橋の図案が載っている。何の変哲もない、普通のコンクリート橋に見えるのだが、何か、50周年紙幣に採用されたにふさわしい意味合いがあるのだろうか。
500コンゴフラン独立50周年紙幣 マタディーMATADI港
500コンゴフラン独立50周年紙幣 キンスカKINSUKA橋


以上、コンゴフラン紙幣に描かれた動物たちを中心に見てみた。
川魚(50CF)、マルミミゾウ(100CF)、ヨウム、オカピ(1000CF)、ホロホロチョウ、グランドシマウマ(5000CF)、タイヨウチョウ、水牛(10000CF)、コンゴキリン、カンムリヅル(20000CF)。

マウンテンゴリラとボノボが描かれていないのは寂しい気がするが、いつかの登場を楽しみに待ちたい。

2013年10月19日土曜日

木材として~熱帯アフリカの樹木たち

三種の木で作られたゾウの置物 Auguy作

この写真のゾウの置物はどれも熱帯アフリカ産の木で作られている。

左の黒いゾウは、「エベンヌ ébène 」(黒檀)の木でできている。カキノキ科の樹木だ。

真ん中のグレーっぽい木のゾウは、わたしはコンゴで初めて見たのだが、「ébène gris」、灰色黒檀を使っているのだそうだ。カキノキ科の樹木だろう。

右のゾウは、茶色っぽくて木目がはっきり見える木でできている。
これこそが、ウェンゲ(アフリカンブラックウッド、アフリカ黒檀)の木だ。マメ科の樹木で、キンシャサ・ゴルフクラブで満開だった、あの美しい大木だ。

ウェンゲの木で楽器を作ると音質が良いといわれ、クラリネットやオーボエなどの木管楽器製作にも使われる。いつか、わたしがタムタム(リンガラ語で”ンブンダ”)、アフリカンドラムを作ってもらおうとして遂に入手できなかった苦い経緯を書いたことがあるが、そのときのわたしの注文内容が、「材質はウェンゲの木で。」、というものだった。


もう一度、材質をじっくり見てもらおう。

エベンヌのゾウ



グレーのエベンヌのゾウ



ウェンゲのゾウ
エベンヌのゾウは、黒い色をして、手に持つといちばんずっしり重い。














グレーのエベンヌは、希少価値があるかも?
キンシャサで初めて出会った木だ。
木目も見える。











ウェンゲ。アフリカンブラックウッドとも、アフリカ黒檀とも言われるようだ。
黒檀より硬く、材面は滑らだという説明書きが見られる。
しっかりと木目が見える。
黒檀ほどではないが、しっかり重量を感じる木材だ。







これらの木製置物のゾウを作る工房は、キンシャサのフランス大使館近くにあり、作者はオーギー(Auguy)さんというコンゴ人男性だ。
本来は、ベルギーの漫画絵本、「タンタン TINTIN」の冒険シリーズの登場人物を木製人形で忠実に再現する木製人形作家で有名な人だ。
彼の工房には数名の若いコンゴ人が手を休めることなく制作に励んでいる。

色々な種類の木材を扱うオーギーさんに、まず、木材の値段のことを訊いてみた。
高価な順に、
① エベンヌ ノワール (黒檀)
② エベンヌ グリ    (灰色のエベンヌ)
③ ウェンゲ (アフリカンブラックウッド)
④ ボワ ルージュ (bois rouge 赤い木/ iroko)
⑤ ボワ ドレ    (bois dore)  ※ どんな樹木だかは不明。
⑥ アカシア     (acacia)

なのだそうだ。

”iroko”の木が上位に入って、ちょっと誇らしい気分を味わう。
わたしとフランス語で同じ名まえの木、だから。
(Hirokoの”h”はフランス語では発音されない!)
”bois rouge”が示すように、赤っぽい木だ。

いつか、オーギーさんに、あなたの名前の木でブレスレットを作ってみたよ、はめてみてサイズがあえば、プレゼントしよう、と言われて、ぴったり!
素敵なオーギーさんからのプレゼントはわたしの宝物になった。

赤っぽい”iroko”の木でできたブレスレット オーギーさんからのプレゼント


オーギーさんに、あなた個人として、どの木がいちばん好きですか、と尋ねると、木を扱う者としてどの木も好きだよ、どれかひとつなんて選べないよ、と言った。

世界三大熱帯雨林のひとつ、コンゴに広がる広大な森林で伐採される木材たち。
大型トラックで、何本もの大木を載せて港町へと運ばれる光景をよく見かける。


今日、日経電子新聞の記事で、三度の伊勢神宮の式年遷宮に携わった宮大工のかたの話が載っていた。
遷宮で使われる木材は、現在3割くらいが神宮の山の木なのだそうだ。
基本的には木曽からの木だという。神様が住む神宮には、木曽の木がいちばんなのだそうだ。
ヒノキは色が、肌が白いし、工作にも良いし、ヒノキを使っていると、杉は使えない、と語る。
年輪300年から400年の木。色は赤くなくて、色つやの良い、白い木。目がよく込んでいて、くせのない、アテ(?)が全然見当たらない木。
そんな木が、神様の家、神宮作りに適しているのだ、と宮大工のベテランは語っている。


熱帯アフリカの木材と、日本古来の建築物の木材と。
ちょうど、このブログを書く前に出くわした日本の新聞記事を読み、とても興味深く比較したのだった。

2013年10月15日火曜日

満開の”ウェンゲ Wenge (Bois noir)"によせて

今日は、キンシャサ・ゴルフクラブのコースにある、満開の紫色の花が美しいウエンゲの大木を中心に、熱帯アフリカの花木について書いてみようと思う。



キンシャサ・ゴルフクラブ6番ホール ウエンゲの大木 花満開 2013.10.08

キンシャサ・ゴルフクラブ練習場 ウエンゲの花のカーペット 2013.10.08

ウエンゲの花 まるで藤の花のよう!


10月に入って、キンシャサのゴルフクラブのウエンゲの大木の花が一斉に咲き始め、先週、満開を迎えた。
昨年もちょうど10月が満開時期で、大木の下は紫色のカーペットが敷かれたような風景を楽しんだものだった。
紫色のウエンゲの花は、まさに藤の花のように円錐形に花を付け、マメ科の花だとすぐに分かる。


最初、どのキャディに尋ねても、この木は「boir noirだ。」と言うだけだった。
bois noir とは、直訳すると「黒い木」だ。
黒い木なら、黒檀かも。
黒檀ならエベンヌ ebene と言うはずだ。

「じゃあ、この木はエベンヌなの?」
すると、「どちらも boir noir だけれども、この木はebene ではない、ほとんど(presque)似ているけれどもちょっと違う。」
まるで一休さんのとんちクイズのようなことを言う。
どちらも家具や工芸品に使われる良質の木材だとも言った。

電子辞書やインターネットで調べても明快な解答が得られない。
フランス語辞書も駆使して、更にキャディやゴルフ場で働く人々や、我が家の物知り運転手にも聞きまくった。

そして一つの解答にたどり着いた。
boir noir は日本語で「黒い木」だけれども、「黒檀」ではない。

「黒檀」は、フランス語で”エベンヌ ebene”と言い、カキノキ科カキノキ属の熱帯性常緑高木。
別名エボニーとも言い、原産地はインド南部からスリランカであり、インドネシア(セレベス島)を中心に東南アジア全域に生育し、またアフリカの一部にも見られる。
黒檀はマメ科ではないのだ。
日本では仏壇に黒檀が使われるのは、原産地がインド、スリランカだということと関係があるのか。とても重く、耐久性に優れた良質の木材であることは確かだ。

では、キャディが、「この木はboir noirであって、エベンヌebeneとはほとんど同じだけどちょっと違う。」と言うこのマメ科の木は何なのか。
紆余曲折の末、この木はウェンゲ wenge と言うことが判明。
仏和辞典(ロベール/小学館)によると、ミレチアとも言い、熱帯アフリカ産のマメ科ナツフジ属Milletiaの高木で、木材は家具,細工物などに使われる。ウエンゲ、とは、アフリカ中部(カメルーン)の一言語だ,と言う説明が載っている。
また、インターネットの”木材”の項目で調べると、この木は、”アフリカンブラックウッド”という名で載っている。ブラックウッド・・・・・まさに”bois noir 黒い木”、である。
”アフリカン・エボニー”とも、”アフリカ黒檀”とも呼ばれるのだそうだ。
マメ科Delbergia属の広葉樹で、タンザニア、モザンビークなどのサバンナに生育するそうだ。
カキノキ科の黒檀に非常によく似ているが、この”アフリカンブラックウッド”はマメ科で、紫檀やローズウッドの仲間だということだ。
この”アメリカンブラックウッド(ウェンゲ)"は黒檀より硬く,材質は滑らかだと記載されている。

なるほど。
キャディたちや我が家の運転手が言った、「この木は、boir noir だけれども、黒檀ebeneではない。ほとんど似ているけど、ちょっと違う。」という説明も、あながち虚言ではなかったのだ。


ということで、今が満開の紫色の藤のような紫色の花を付けた、ゴルフ場のこの大木は、”アフリカンブラックウッド”,”アフリカ黒檀”とも表記される「ウェンゲwenge」の木だということが分かったのだった。


わたしが、写真を見せずに「キンシャサでは、紫色の花を付けた大木が満開だ。」と言ったら、大半の人たちは、「ああ、それはジャカランダだね。」と思われるだろう。
でも、花の形からして全くの別種なのだ。

では、”ジャカランダ jacaranda”とは、どんな植物なのか。
wikipediaによると、”ノウゼンカズラ科に属する中南米原産の低木または高木”とある。
見かけはアカシアやネムノキに似ている、ともあり、花冠は5裂し、青色または紫色の花。また、原産地では桜のように葉が出る前に花が咲くようだが、栽培環境によっては葉が出た後に花が咲くこともあるらしい。
49種ほどからなり、中米,カリブ海,南米西部原産と、ブラジル原産の2つの節に下位分類されるのだそうだ。
マメ科のブラジリアン・ローズウッドもジャカランダとよばれたりもするらしいが、別目とのこと。



もう、頭が混乱しそうな状況になってきたが、もうひとつ、混乱ついでに、「カエンボク(火焔木)」と、
「火焔樹(ホウオウボク)」の違いについても書いておきたい。

ます、”火焔木=カエンボク”について。
英名 African Tulip Treeと言い、ノウゼンカズラ科。
西アフリカ産の常緑高木で、一年を通して赤みがかったオレンジ色の釣り鐘形のやや上向き加減の大きく派手な花を枝先に多数咲かせ続ける。釣り鐘形の合弁花というのは同じノウゼンカズラ科のジャカランダも同様。
カエンボク属は、本種を含めて3種が知られており、いずれも熱帯アフリカ産。

一方、”火焔樹=ホウオウボク”というのは。
マメ科ジャケツイバラ亜科の落葉高木。(マメ科を卒業、とあるかどういうことだか??)
原産はマダガスカル産。緋紅色の蝶形の花が咲く。
別名 フランボワイアン Flamboyant とも言うが、”火焔樹~かえんじゅ”という名で知られているかもしれない。
キンシャサの大銀行、Trusut Merchant Bank(TMB)のシンボルマークに使われている。  

なんとややこしいが、「火焔木」と「火焔樹」はまったく別種の木だったのだった。


Trust Merchant Bank の商標 火焔樹



ジャカランダ(Jacaranda)、カエンボク(火焔木)、ホウオウボク(火焔樹)を、世界三大花木、あるいは熱帯三大花木と言うのだそうだ。

もう少し付け加えると。
”アカシア”は、マメ科ネムノキ亜科アカシア属。
バンギ(中央アフリカ)では、4月、雨が降り始めると一斉に黄色い花を付けていたように記憶する。ネムノキの葉とそっくりの葉だったのもまた覚えている。

では”ネムノキ”はというと。マメ科に属するが、マメ亜科に特徴的な蝶形花とは大きく異なり,花弁が目立たず、淡紅色のおしべが長い花だ。
果実は、細長く扁平な豆果である。キンシャサ・ゴルフクラブのあちこちで見かける低木だ。

木ではないが、オジギソウという草花がある。
小さいとき、葉に触ると途端に葉が閉じてしおれてしまう不思議な葉だった。
葉が閉じてしおれて、おじぎをするようだから、オジギソウと言うのだと教えてもらったことがある。
オジギソウも,マメ科ネムノキ亜科なのだそうだ。
南アメリカ原産だと記載されている。
でも・・。20年前、中央アフリカ共和国の首都バンギから南西に7,80kmほどの村にピクニックに行ったとき、ピンク色の小さな花をつけたオジギソウが自生しているのに出くわした。日本ではオジギソウは買わなきゃ入手できない植物だったけど、アフリカには雑草として草むらに普通に生えているんだ!、と感激したものだった。


ネムノキ、アカシア、ホウオウボク、ジャカランダの葉はオジギソウの葉に似ている。

ホウオウボク(火焔樹)、ウェンゲ、アカシア、ネムノキ、オジギソウはマメ科の植物で、ジャカランダ,カエンボクはノウゼンカズラ科の植物。
そして、大半の樹木は花が終わると、大きな長いマメの鞘がぶら下がって、ああ、熱帯アフリカの花木はマメ科の植物が多いのだなあ,と言う印象を持つのだった。

日本から遠い熱帯アフリカの植物形態に関して知識情報が交錯したりしているが、機会があったら是非、系統立てて見つめ直してみてほしい。
とても興味深いアフリカの植物たちだ。


2013年10月10日木曜日

タヒチの友人から習った"花冠"  La Couronne de Fleurs du Tahiti

ゴルフプレイ後で失礼!南国ムードの花冠
毎週火曜日に、日仏語の交換授業を続けるタヒチ出身の友人がいる。
心身ともに伸びやかで屈託のない性格の魅力的な女性だ。そしてまた、かのじょの傍にはいつも花があると感じる。

その友人が、今日はわたしの国の女性たちが作る花冠を一緒に作りましょう!!、と提案してきた。


かのじょは我が家に来る時に何度か、生け花を自身で生けて持ってきてくれた。
以前のブログでもかのじょの生け花作品を紹介したことがある。
また、IWC(国際女性クラブの会)の月例ランチの会にも、かのじょの豊かな黒髪にさりげなく庭の花を飾って現れたりする。
知人宅のパーティーに招待を受けたときには、自作の花冠で飾って出かけることもあると言う。
かのじょなりの相手方へのプレゼントなのだなあと感心した。



かのじょのリビングのテーブルには、何色かのラフィアの紐、何種類かの花、葉、そして花ばさみが用意されていた。

① まず、20本ほどのラフィアを三つ編みにして頭囲の二倍くらいの長さに編む。
  両端とも固結びでしっかり留める。

② その三つ編みラフィアを頭に巻いてみて、額の両端にくる辺りにラフィアの紐で印を付ける。
  (その2つの印の間に花と草を置いてラフィアで巻いて留めてゆくのだ。)

③ その三つ編みラフィアを土台にして、一定方向に葉を置き、その上に花を載せていく。
小さな花は2、3個ずつまとめて、大きめの花は一輪だけを色合い良く少しずつずらしながら配置していく。
花も葉もひとつずつ(あるいは一まとめずつ)置いてラフィアで一巻きしながら三つ編みラフィアの土台にしっかりと留めていく。

④ 最後の葉と花のみ、向きを反対向きに置いてラフィア紐で留める。
  (正面から見て決して土台の三つ編みラフィアの紐が覗かないようにアレンジする。)


花や葉を置いて留めていきながら、小さいときに春のレンゲ畑でのレンゲで、初夏には社宅の庭にたくさん咲いたシロツメクサで作ってもらった首飾りや花冠を、母の手元の仕草とともに思い出していた。

その日、かのじょが用意していた花は、白い花としてフランジーパニエ(プルメリアのことだそうだ)、ジャスミン、紅色の花はブーゲンビリア、そしてかのじょも名前は知らないと言う、ひまわりのような小ぶりの黄色い花だ。
緑色を添える葉としては、かのじょの庭に植わっているシダのような観葉植物、そしてジャスミンの葉だ。


我が家リビング、タムタムの上に花冠を置いて


タヒチでは、良い香りを自身も、そして周囲の人たちも楽しめるように、ローズマリー、バジルなどのハーブも花冠に使うのだそうだ。

かのじょは、この花は摘んで2時間しかもたないから花冠には向かない花だなどと、それぞれの花の特長を把握している。
小さいときから、かのじょの身近に花があったんだなあ。
そう言うと、かのじょは、両親が蘭の栽培ハウスを経営していたのよ、と話してくれた。


そして、かのじょは言った。
コンゴにはこんなにたくさんの花や葉が豊かにあるのに、コンゴの女性たちはこれらを使って身を飾るということをしないのねえ、と。
彼女の言葉に、わたしもはっと気付く。


わたしたち日本人も、季節の花を飾る生け花、お茶の席には庭の花を摘んで飾る茶花、自然を小さく写し取った盆栽、それに、こどもたちも遊びの中で、草花が生活にしっかり溶け込む文化を持っている民族だ。
そんな風習をわたし自身、大切にしたいと心底思う。


リビングのテーブルに花冠を置いて愛でる


タヒチの友人の、日常生活を身近な自然で豊かに楽しむ様子を見て、あれやこれやを思う一日だった。


Heaitu, merci beaucoup pour m'enseigner a faire la couronne de fleures.
 J'etais tres contente de savoir la culture de ton pays, Tahiti, avec les fleurs.


2013年10月9日水曜日

誕生日!

この前の日曜日、キンシャサで迎える二度目のわたしの誕生日だった。


その日、朝からなんだか良い予感を持ちながら、夫とゴルフ場へ向かう。
ベストスコアが出るのかもしれない、とか思いながら。

ところが。
後半の10ホールからプレイを開始したものの、わたしの苦手な11番ホールで4回連続でティーアップ前面に広がる池にボールを落とした。
しつこくティーアップしてドライバーを振り続けようとするわたしを、夫は、次のプレイヤーがいるんだから諦めろ、と怒鳴った。
渋々とぼとぼと引き揚げざるを得なかった。

なんだ。
誕生日の良い予感、なんて大はずれだった!

連続池ポチャの悪印象を払拭できずに暗い気持ちでプレイを続けたが、広いグリーンで過ごすうちに気分も入れ替わる。
途中でショウコさんとすれ違う。いつも明るいかのじょだ。
一緒に、ゴルフ場パイヨットでランチにしましょうね、と約束。

18ラウンドを終えたところで、大使といっしょにプレイすることになった。
ご迷惑かけると申し訳ないなあ。
ということも忘れて、楽しいプレイとなる。
ここ20連発で池ポチャを繰り返す11番ホール。
ずいぶん長く、わたしのボールが向こう岸に着地するのを見たことがないくらい!
ところが、21連発池ポチャは回避されたのだ。
大使の温かい雰囲気のおかげだな。
ベストスコアからはほど遠かったけど、楽しいプレイだった。


10月初めのゴルフ場パイヨットと、そして、わたしの愛用ゴルフ道具
雨季がはじまったばかりのキンシャサ。18番ホールをパイヨット前から望む。


そうして無事、炎天下、1.5ラウンドを終えてパイヨットへ。
コカ(仏語圏ではコーラと言わずに、”コカ”と呼ぶ。)のおいしかったこと。

何人かでゴルフ場日替わりランチの”ゴルファーランチ”で昼食を取る。
ちょっと遅めのランチになってしまった。
時おり吹く、微風が心地よいパイヨットだ。

さあ、夕方のお客さんのために夕食の準備に取り掛からねば。

すると。
遠くから楽しげな歌声が聴こえて来た。
聴いたことのある歌だぞ。
あ、ハッピーバースデイの歌だ!
誰か、誕生日なんだ。
あ、わたしと同じ誕生日だな。

だんだん歌声が近づいてくるぞ。

っと振り向くと。
ショウコさん、フレッドさんがバースデイケーキにろうそくを立てて、わたしのところに到着したところだった。

わー、すごーい!!
もうそれからは有頂天。
心は完全に舞い上がって天高く雲の上に行ってしまっていた。

パイヨットに居合わせた人たちに祝ってもらってろうそくを吹き消す。
ショウコさん、フレッドさん、そしてゴルフ仲間のみなさん、ありがとうございます!!



そして、誕生日の幸せは夜も続いた。
久しぶりにキンシャサ入りした友人を囲んでの夕食会を予定していたので、ゴルフからの帰宅後は死に物狂いで夕食準備に没頭した。
美味しい(かどうかはわからないけど)料理を皆で囲んでの楽しい語らいを想像して準備する時間はわたしの至福のときだ。

わたしの誕生日のための夕食会ではない、久しぶりに会う友人のための夕食会だった。
そうしたら、キンシャサで活躍する若者たちがわたしの誕生日に寄せてメッセージを書いて持って来てくれたのには、またまた心は天高く昇ってしまった。

わたしの日頃の行いを省みると恥ずかしくなるような、またうれしくもなるメッセージに、しみじみ皆に感謝しながら読んでいくと、熱いものが何度も何度もこみ上げてくるのだった。

うれしい寄せ書きをありがとう!!!

日本の友人からもたくさんのメッセージが届いた。
キンシャサで迎えた今年の誕生日を温かい気持ちになりながら、いつまでもいつまでも思い出すのだろう。

みなさん、ありがとうございました。