2013年7月27日土曜日

七月~キンシャサでの日々

今日もキンシャサは厚い雲に覆われて、薄日すら差さない肌寒い一日が暮れようとしている。
(午後3時の気温は23℃だった。)


十日前、キンシャサのあちこちで白い粉を頭からかぶった若者を見かけた。
最初は、シラミ退治のために粉をかけられたのかと思っていたら、その日は、バカロレア試験のインターネット上での結果発表の日だったという。
良い結果を得た学生はお祝いの意味で白い粉を頭からかけられる。
そんな学生の家族たちも、やっぱり白い粉をかけて喜び合うのだという。

バカロレアとは。
辞書には、フランスの国家学位の一つで、中等普通教育の終了資格証明であると同時に大学入学資格証明でもある、と書かれている。
コンゴ民主共和国でも、バカロレア試験が実施される。
もちろんフランスとは別個のコンゴ(民)独自の試験内容だろうが、わたしのフランス語の先生(コンゴ人)が言うには、このバカロレア試験の結果をもって、コンゴ国内の大学はもちろん、家庭の経済事情が許せばベルギーやフランスなど外国の大学にも入学できるそうだ。

キンシャサの日本大使館では、今月上旬に日本への国費留学生選抜試験が実施されたと聞く。
選抜枠は3人だとも聞く。
今年はどんな学生が選ばれ、日本留学の切符を手に入れたのだろう。

学生、生徒たちは9月の新学期まで休暇に入っている。
(バカロレア試験を無事通過した学生たちの大学入学は10月だそうだ。)
子どもたちの学校の休暇中、外国人家庭の多くが自国に帰国しているから、キンシャサの外国人数は確実に減っていると感じる。

ゆっくり、何事もなく、キンシャサのどんより曇り空の日々は過ぎてゆく。


今日は、午前中に友人の車で買い物に出かけた。
アパートそばの路上で野菜を売るマダムがすかさず、「マダム。あなたが好きな野菜が入荷してるよ。」と声を掛けてきた。
帰りに寄るから、と出発して車に乗り込む。

そして、午後、アパートすぐ横に構える、野菜の”店棚”まで行った。

野菜売りのマダムと店棚
かのじょは、ビニルに小分けしてきっちり結んで古板で組み立てられた棚に陳列して売っている。


15束に小さく分けられたカイワレ大根タイプの野菜

わたしが時々かのじょから買う野菜は、長さ10cmちょっとくらいの、日本のカイワレ大根のように小さな葉の野菜だ。小さいけれど、茎に筋があって噛み辛い野菜だ。
熱湯で茹でておひたしにして食べるとすこし苦味があっておいしい。

上の写真は15束に小分けされて、全部で4000コンゴフランだ。
なんという名前の野菜か知らない。
コンゴの人たちがどのようにして食べるのかも知らない。
かのじょの店でしか見かけない野菜だ。

我がアパート前のコトー通りには、この野菜売りの屋台と奥に雑貨売りの屋台がある。

商品がきっちり整頓して並ぶ、トタン屋根付きの店棚

そして、ここより1ブロック手前の角にパン売りの屋台、そしてその前に携帯電話のユニテのカード(料金支払いシステムのカード)売りの屋台も並ぶ。


コトー通りの看板と屋台の2店 コトー通りの行き止まりが見える

こんな一見のどかな住宅地の小さな通りだけれど、やっぱり歩いて外出することは避けたほうがいいと言われている。
わたしが週一回通う刺繍の先生の自宅も同じコトー通りなのに、車での往復だ。
そして、もうひとり、トルコ人マダムの自宅もその隣だ。
素敵な庭と自宅を持ち、日本文化贔屓で、ティータイムでお客のときはかのじょの”生け花”で出迎えてくれる。そして、鉄瓶で日本茶を入れてくれる。

乾季の七月。
キンシャサ、コトー通り。
いつか、キンシャサを離れたとき、懐かしく思い出すコトー通りなのだろう。

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