2013年7月20日土曜日

コンゴ流オレンジの食べ方

キンシャサは乾季真っ只中。
5月19日夜以来、雨は一滴も降っていないから、まるっと2ヶ月、降雨量ゼロだ。
といっても、キンシャサの空気が乾燥しているとは感じない。

肌に乾燥を感じなければ、突っ張りもしない。(と言ったら、夫が、大通りで車が停車すると物売りが寄ってくるけど、最近、リップクリーム売りをよく見かけるよ、という。コンゴの人たちは乾燥を肌で感じているのだろうか。)

そして、街路樹や歩道の植え込みやゴルフ場の芝も木々も青々として元気だ。

これは、多分にコンゴの大地を北半球、南半球に上下しながら流れる大河、コンゴ河の存在が大きいと考えられる。南北半球を流れるから乾季雨季が流域によって異なり、水量が極端に減少することがないように思う。
乾季でも、コンゴ河の水が蒸発し上空はほとんど常時、二、三層の厚い雲に覆われ、太陽が隠されるから気温は上がらない。
水蒸気で上空が微妙なところで飽和状態を保っているから、決して雨は降らず、乾燥もしない。
朝晩、空気が冷えるから、露がたっぷり降りる。
だから、緑は衰えずに生き生きとしたままだ。

普段は午後から日差しが出るのだが、昨日,今日は午後になっても太陽は隠れたままだった。
だから、今日は午後になっても、室温は22,3℃。
肌寒くて、カーディガンを羽織った。
いよいよ乾季たけなわ、といったキンシャサだ。

乾季のコンゴの果物といえば、オレンジだ。

今日、フランス語のコンゴ人の先生がレッスンの時に”一緒に食べましょう”と言って、一個ずつビニルに入ったオレンジを二つ、テーブルに置いた。
初めて見る、外皮が剥かれたオレンジだった。


ひとつずつビニルに入れられた皮むきオレンジ


オレンジは、外皮だけきれいに剥かれている。
てっぺんは逆円錐形にくり抜かれて、元の状態に蓋が被さっている。
蓋を開けると、赤い粉がふりかかっていた。


赤ピーマンの粉のふりかけ


先生は、7月末がいちばん美味しくなるのよ、と言いながら、むしゃむしゃと上手に中身だけ食べている。このオレンジは多分、バコンゴ(コンゴ南西部)からのものね、とも付け加えて、おいしそうに食べている。
この状態で街頭で売られているのだそうだ。
ふりかかっている赤い粉は、赤ピーマンの粉だという。
コンゴ料理に欠かせない、”ぴりぴり”と言われている赤唐辛子のパテ風のものとは違うのだそうだ。

かじると微妙な味だ、頭の中で「なんでミカンに一味唐辛子もどきなんかが!?」と一時、錯乱状態になるが、よく味わってみると、オレンジの甘さと赤ピーマンのピリ辛が絶妙なハーモニーを醸し出している、かも・・・。
オレンジの甘さをピリ辛風味が微妙に抑え、味に深みを与えているのだ。
ミスマッチにびっくり!

わたしは、白い内皮をどんな手が触っているかと想像して、しっかり白皮部分を剥がしながら食べる。
先生は、ある程度食べ進んだところで、くるりっと白い内皮を内側にひっくり返して、オレンジの中身を表に出してかぶりつき、最後の最後まできれいにオレンジの中身を食べ、再びひっくり戻して内皮だけになったものを外にして戻し、ビニルに収めて小さく縛った。
見事な食べ方だ。口も手も最小限の汚れだ。

これが、コンゴ流オレンジの食べ方、かあ。
日本の蜜柑の皮のように柔らかくないから、外皮だけナイフで剥いて、てっぺんを逆円錐形にえぐって赤ピーマンの粉をふりかけて、上手に中身だけ食べる。

日本のネーブルなどの硬めの皮のかんきつ類にも、この食べ方はお勧めかも。
そして、赤ピーマンの粉をふりかけて食べてみてほしい、な。

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