2013年1月23日付 キンシャサの日刊紙 "Observateur"より |
BOMAからは陸路で大キャラバンよろしく、50台のバスが列を成して警官たちにしっかりガードされ、21日にキンシャサに到着したのだそうだ。
キンシャサ到着をアピールするかのように、駐車灯を点滅させながらのバス大行進の光景が目に浮かぶ。
2700万米ドルの投資だというから、コンゴ政府の大英断にわたしは拍手喝采した。
3月末には残りの150台が届く予定だ、と記事に書かれている。
昨年、キンシャサで開催されたフランス語圏会議を前に、キンシャサ中のタクシー、タクシーバス、バスが3日間のストライキを起こし、キンシャサの通勤客の足が乱れ、大混乱を起こした。
これを機に、今まで政府運営の交通網を持たなかった政府は、ついに公共交通機関を整備することを決断したのだということだった。
コンゴの運送機関(Transports du Congo)ということから、この政府運営のバス会社は、”TRANSCO”と命名されたということが載っていた。
そして、この新バス会社の料金はどうなるのかということがキンシャサ市民の一大関心事だ、と記事は結ばれていた。
まず、わたしたちの目を引いたのが、キンシャサの中心を走る6月30日通り沿いに建てられたいくつもの屋根付き、ベンチ設置のバス停だった。
左側に旧バス停 右側に新バス停(まだ使用禁止のロープが張られている):6月30日通り |
上の写真は6月4日に撮影したものだ。
このバス停は夜には照明が灯る。
そして間もなく、”TRANSCO”と書かれた、レインボー模様の白い車体のバスが登場した。
バス停を発車するTRANSCOバス(右側のブルーの車は旧来のプライベートのタクシーバス):6月30日通り |
座席もつり革も、キンシャサ市民の目には画期的なものに映ったはずだ。
とっても快適な車内に見えるし、乗客もとても行儀良く乗っているようにも見える。
まだ満員状態の新バスを見かけたことはないが、立っている乗客は神妙な表情で(?)つり革に手をかけているのも見える。
そんな車内の様子を見るにつけ、一度乗ってみたいなと思うのだが、いかがなものか。
(わたしたち日本人は乗り合いバス乗車を禁止されているし、外国人が乗車しているのも見かけたことは皆無だ。)
持ち手の付いた座席と天井から下がるつり革 車内も整然としている |
見るからにスマートなバスだ。
そして、料金は一律1乗車500コンゴフランだと聞く。これは、旧来のタクシーバスなどと同じ料金だ。しかも、TRANSCOバスのほうが運行区間がより長距離なので、乗り換えなしで行ける場所だったら返って運賃は安く上がるとも聞く。
バスの正面上部には、行き先が掲示されている。
これもこの国では画期的な改良点だ。
新バスの発着は6月30日通りの始点とも言える鉄道のキンシャサ中央駅かな、という印象を持つ。
夫が言う。
驚くことに、中央駅のバス停では、バスを待つのに列ができているよ、と。
この国の人は列を作って待つということができないのか、と何度あきれ返ったことだろう!
ところが、バスを待つのにかれらは列を作っている、と言うのだ。
中央駅からまっすぐ6月30日通りを走ってキタンボ市場まで。もっと先のキンシャサ郊外の交通拠点のイーペンまで。それから今日は、サッカースタジアム近くの大通りを走るTRANSCOバスも見た。さらに、キンシャサ中心部から空港方向に位置するリメテ地区を走るルムンバ通りにもTRANSCOバスは走っていた。
聞くところによると、バスの運行時間は朝5時だったか、そのくらいから日没後の19時までだそうだ。
すでに政府の計画台数の200台がキンシャサに到着済みだとも聞いた。
でも、キンシャサ中心部からンジリ空港までの路線バスはまだ運行されてないようだ。
我が家の運転手に訊くと、ポワルー産業道路が完成して、その先の道路も完成したら、キンシャサ~ンジリ空港間はTRANSCOバスで結ばれるはずだ、というのだった。
また少しずつ、,少しずつ、市民の日常生活が良い方向に向かっているように感じる新バスの走るキンシャサの街だ。
このバスが平和の象徴となり、キンシャサの人々の足となって、メンテナンスもしっかりなされ、末永く大切に運行されるようにと願うばかりだ。