2016年10月13日木曜日

キンシャサ便りふたたび6 森のバター”アボカ”

キンシャサ生活の楽しみのひとつに、ここでしか食べられないもの、ここでだったらふんだんに楽しめる食べ物、というのがある。

そのひとつが、アボカドだ。
アボカド、avocat。
ここでは、フランス語で”アボカ”、と言われる。

以前の滞在のときは、アボカの季節は10月から12月、1月だよと聞いていたが、どうもほとんどの季節、アボカを楽しめるようだ。
ただ、旬のシーズンが12月前後の雨季たけなわの頃だというのかもしれない。
先日、ここの家政婦に尋ねると、アボカはいつでも食べられるということだった。
この木のアボカの収穫が終われば、あの木のアボカ、他の木のアボカ、といった具合にいつでも成っているというのだ。
ホントかな。
確かに、わたしの好きなウェンゲの木は一年に二度の開花期(雨季の終わりころ4月と、始まりのころの10月)がある。
藤の花そっくりの花が大木いっぱい満開になって紫色のじゅうたんが木の下に敷きつめられるこの季節、そばでスイカの種の大判のような黒い種が地面にたくさん落ちていて、はて?開花真っ最中になぜ種がもう存在するの?、と首をかしげたものだ。
アボカも同じように、木に成る果実だもの、日本のように一年に一回のみの結実ではないのかもなあ。
パパイヤも一年中食べられるような。
でも、パイナップル、とか、オレンジ、とかは、季節が限られているような。

ともあれ、1カ月前にキンシャサに着いて以来、ずっとわたしはアボカを楽しんでいる。

奥の背高のっぽの木がアボカの木

これは、キンシャサゴルフ場の9番ホールが終わって休憩所そばに立つアボカの木。
アボカが重そうにぶら下がっている。
ここのアボカの大きさは、日本で見るアボカドの1.5倍はありそうだ。

この、ゴルフ場のアボカの木は、ひとりのキャディーの持ち木なのだそうだ。
この木の持ち主であるキャディーの許可なしに、勝手に失敬してはいけないらしい。
その決まりがしっかり守られているというのがなんだか楽しい。

ある時、友人から美味しいアボカをいただいのだが、そのアボカこそ、この木に実ったアボカだったのだった。
友人は、各自のキャディーを通してアボカの木の持ち主に、いつ、アボカを何個欲しいか申し込んでおけば持ってきてくれるよ、と教えてくれた。
わたしは早速、先週木曜日にアボカを6個欲しい、とわたしのキャディーを通して伝言しておいた。
そうしたら、ちゃんと木曜日にわたしたちが9ホールを終えたところの木陰で、アボカの木の持ち主はアボカ6個をふた山用意して待っていてくれた。


キンシャサの大判アボカ(右下の爪楊枝の大きさと比較してみて)

天狗の鼻のように細長いアボカもあるが、この木のアボカは丸っこいタイプだ。
2,3日も部屋に放置していたら、しっかり皮が茶緑色に変色して熟してくる。


買って翌日のアボカ 少しずつ熟してくる


茶緑色になったアボカは冷蔵庫で保管する。
アボカサラダのバリエーションも色々あるし、シンプルにわさび醤油でいただいてもしっとりきめ細かい舌触りで美味しい。まさに、「森のバター」だ。
わたしは、おいしいバター状になったアボカをスプーンですくうたびに、”ちびくろサンボ”くんの森で出会った虎の輪がバターになった場面を思い出す。

いつもはアボカ1個で1ドルだけど、今回は小振りだから6個で5ドルでいいと言われた。
1米ドルは今、1100コンゴフランだから、アボカ6個で5500コンゴフランか~。
コンゴ人だったら、1個500コンゴフランで買えるよと、ここの家政婦は言う。
外国人価格で1個1000コンゴフラン、っていうのは妥当なところだね、と。
通貨も二重通貨(コンゴフランと米ドル!)だし、価格も二重価格(コンゴ人価格と外国人価格)だし。
ややこしいったらありゃしない。

夫は、ゴルフ場にはビニル袋が必須だな、と言う。
確かにな。
これから雨季に入ると、ゴルフ場に小さな白いきのこがたくさん顔を出す。
芝生の藁を取り除くのは一苦労だが、そのきのこのスープは旨味が出て本当に美味しい。

現地の人が言うには、これから1月、2月くらいまでがアボカの旬だということだから、これからまだまだアボカの「森のバター」を楽しもう。

0 件のコメント:

コメントを投稿