キンシャサでいちばん最初の教会 |
キンシャサでいちばん最初に建てられた教会 (la premiere chapelle )のことをもっとよく知りたいと思って、キンシャサ・オープンゴルフが終わって、2日ほどここへ通って調べてみた。
"la chapelle"ということだから、わたしもチャペルと呼ぶことにする。
車から降りてチャペルの周りを回ってみた。
すると、思いのほかコンゴ河がチャペルの後ろに迫っていることがわかった。
コンゴ河岸の草の生えた低地部分から50メートルほど入ったところで土地が一段高くなっていて、そこにチャペルが建っていた。
錠のかかった鉄扉から覗くとチャペルの後ろに広くゆったり流れるコンゴ河の川面が見えるのだった。
コンゴ河岸から一段高いところに建つチャペル |
チャペルの奥行きは正面の幅より長い。
長方形の建物だ。
チャペル側面 |
2度目に来たとき、わたしが車から降りてチャペルを覗いていたら、チャペル前の道路を隔てた正面の扉が開いて、1人の年寄りのコンゴ人男性が現れた。
チャペル関係者だと言う。
チャペルの中に入りたいのなら、20米ドルを払いなさい、と言う。
20米ドルというのは約20000コンゴフラン!!
そんな高い入場料を言ってくるなんて。
今度来たときに見せてください、といって断る。
(というわけで、チャペル内部を見ることはできなかった。)
チャペル正面扉左の塀に埋め込まれた説明パネルをもう一度読んでみる。
"PREMIERE CHAPELLE DE LEOPOLDVILLE CONSTRUIT EN 1891 PAR LE REVEREND SIMS AARON REPRESENTANT LEGAL DE L'A.B.F.M.S." |
「レオポルドヴィルのいちばん最初のチャペル。
1891年、ABFMS公認の代表者、シムス・アーロン牧師によって建立される。」
さて。ABFMSとは何の略語だろう。
"American Baptist Foreign Missionary Society"
(アメリカ・バプテスト外国宣教師協会)
なんとこのチャペルはカトリックではなく、プロテスタントのバプテスト派の礼拝堂だったのだ。
しかもシムス・アーロン牧師はアメリカ人かどうかはわからないが、アメリカ・バプテスト外国宣教師協会からの派遣者だったのだ。
また、レオポルドヴィルというのは、1966年以前のキンシャサの都市名だ。
(1966年にモブツ大統領が国名をザイール、首都名をキンシャサと改名している。)
インターネット情報では、このチャペル名を"la Chapelle Sini"、或いは"la Chapelle SIMS"としているが、上のパネルにはチャペル名は書かれていない。
このチャペルのことを知っている我が家の運転手に訊いてみた。
かれはこう言うのだ。
このチャペルに名まえなんてない。
ただ、"Premiere Chapelle"と言うだけだ。
またかれは、ABFMSのreverend(牧師)によって建てられた、とあるのだから、この教会はプロテスタントだ、と最初から言っていた。
(彼自身、熱心なバプテスト派の信者だ。)
当初、このチャペルの屋根は藁葺きだったようだ。
でも建屋は当時のままのはずだ、と運転手は言う。
この教会は、もう現在は礼拝には使われていないだろう、とも言う。
そして、このチャペルのことを知っているコンゴ人は少ないだろう、とも。
コンゴ河で川幅がぐっと広がっている地点、そしてすぐ下流に滝があって船が下流へは進めない、言い換えるといよいよこの地点から上流のキサンガニまで船旅が始まるという地点の河岸に百年以上もひっそりと建つ小さなチャペル。
キンシャサの中心地区から外れた,緑深い住宅街の一画に建つ"le Premiere Chapelle"、第一チャペル、再考、でした。
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