2017年5月25日木曜日

キンシャサ便りふたたび34 のどの痛みに”ンドンゴ”さん!

小さい頃よく耳にした、”ノドの痛みに龍角散!”(ちょっと違う?)、とかいうCMのキャッチフレーズを思い出す。
調べてみると、二百年も前から存在する東北地方由来の生薬だとか。


コンゴの龍角散? ”ンドンゴ”


先週、金、土、日の3日間、わたしたち夫婦にとって最後になるキンシャサ・オープンゴルフに参加し、疲れ切ってプレイを終えた途端に、わたしは喉をやられてダウンしてしまった。
最初は、手元にあったトローチと葛根湯で乗り切ろうとしたけど、効き目なし。
PL錠を探し出してのみ始めた時、我が家のボーイ兼わたしのゴルフキャディーのオリビエが、喉の痛みにとっても効くからと500コンゴフラン(50円弱)を渡して買ってきてもらったのが冒頭の写真の”ンドンゴ”だ。
かれは、紙に「mudongo」と綴った。
ちょうど大きさも形もニンニクのような種袋が汚い木串に三房刺されていた。
日本でも団子三兄弟だけど、この国でも三房が串に(でも本当に汚い木串!)刺されているということに、ちょっと感動!
で。
これは木に成る花の種子なのだとオリビエは説明した。
一つの種袋を手で揉みほぐすと、小さな赤茶色の粒がたくさん出てきた。
串に刺された種の房は、しっかり干されて、乾燥している。

ンドンゴの粒(爪楊枝のサイズと比較して)

この粒がンドンゴという木の種なのだそうだ。
言われたとおりに、粒を3,4個口に含んでカリカリと歯で噛んでみる。
おおー!
ミントの極みのようなヒンヤリした刺激が口に広がった。思わず、昔懐かしい銀色の”仁丹”と重なった。仁丹よりさらにぴりぴりくる。
オリビエは、そのピーマン胡椒のような刺激成分が喉の毒を洗い流してくれる、という言い方をした。
粒を3,4個カリカリと噛んで呑み込むと、確かに喉に心地良い。
そして、その後に水を飲むように言われた。
水を飲んで毒を流すのだとかれは説明した。
それを10分から20分毎に繰り返す。一房が一日分。
かりかり歯で潰して吞み込んで水を飲んで毒を洗い流す。だいたい、一日で喉の痛みは治まるよと。残りの二房はストック分だと言った。
団子三兄弟の三房なのか、薬といえばだいたい三日分の慣わしなのか。

最初の2回くらいで、喉の痛みが和らいでいくのが分かった。
そして、本当に昨日の一日で喉の痛みが消えてしまった!

オリビエが言うには、本来は森の中の大木だったンドンゴだが、今では、あちこちに植えられ、ンドンゴの種子の房が串に刺されて道端で売られているのだそうだ。
皆、知ってるよ、喉が痛いときにはンドンゴだ、ってね。

それぞれの地で育まれてきた生薬やお茶。
わたしたち夫婦はキンシャサで、モリンガのお茶、ブルグトゥのお茶も楽しんでいる。

コンゴの人たちは、昔から受け継がれてきた生活の知恵を今も活かしていると感じる。
まさに「身土不二」(人間の身体とそこに暮らす土地とは切り離せない関係にあるということ。)の考えだ。
ずっと昔から伝えられてきた、わたしたち日本人の生活の知恵を見直して、取り入れて暮らしたいなと改めて思う。

2 件のコメント:

  1. コメントをいただいたかたへ。ありがとうございました。あなたのアドレスが悪用されたらいけないと思い、削除させていただきました。安全を考慮した上のことで、どうぞお許しください。今夏にキンシャサ旅行の予定だとのことですが、今のキンシャサはいろいろな面で治安が悪く、キンシャサ在住の外国人は、それぞれに運転手付きのプライベートの車を所持していて、それで外出しています。徒歩で外出は不可能な状況です。また、移動できる地域も限られています。第一に、空港からキンシャサ中心部に移動する手段から安全面で大問題があります。ホテル代、食事代など物価も高いです。キンシャサに知り合いがいない限り、滞在は相当難しいと考えてください。現地語のリンガラ語ができる人ならば随分と行動も楽でしょうが、リンガラ語もフランス語もできないとなるとまず滞在は不可能と思います。きびしい現状です。わたしのブログは、知人たちに守られた生活の上で綴ったものなのだなあと改めて思いました。いろいろな人たちに守られて、自身でも安全に気を付けて、その上で見聞して楽しんだキンシャサ生活を綴ったものです。知人のいないキンシャサで旅行者としての滞在は現状では難しいと思います。厳しいですが。キンシャサは底知れないパワーをも感じます。

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    1. こんにちは。お忙しい中のコメント誠にありがとうございます。
      実は・・・私は古い飛行機が好きでイランやコロンビアを含む様々な国へ訪れました。この度も観光ではなくコンゴ人のパイロットと連絡を取り合っており、国内を飛ぶ貨物便のコックピットへ便乗する予定であります。キンシャサ空港までピックアップすると言われていますが、念の為初日のステイはPullmanホテルを予約し送迎を頼もうと検討しております。その他の日はパイロットの自宅で滞在をさせて頂けるとの事でそのつもりであります。無意味に街中を出歩く予定もなく、とにかく安全第一で行動致します。キンシャサへ訪れた方や旅行者のブログを拝見させて頂いておりますが、相当他の国とは色々な面で勝手が違う事をひしひしと感じます。誘拐や賄賂、拉致の危険も十分に感じますので、正直相当思い留まっているのが現状です(今年の2月にも訪れる予定でしたが、諸事情によりキャンセルしました)
      このコメントもお読み頂きました後、宜しければ削除して頂ければ幸いであります。ご配慮ならびに有難いアドバイスをありがとうございます。

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