さて。
一昨日は十六夜、そして、昨夜はスーパームーンで(初めて聞いた言葉だったが)わが家も夫婦で大盛り上がりだった。
(夫婦でそれぞれにお団子を買ってきてしまったり。)
このスーパームーンの映像を収めたいと思い立ち、赤羽の6階のわが家のベランダから、携帯のカメラをいじくり回して、やっと撮ったのがこの映像。
なんと小さいお月様だろう。
我が家の6階ベランダからパチリ!スーパームーン! |
ベランダから南東方向の空でぐんぐん高度を上げていくスーパームーンを見上げながら、わたしは、キンシャサ・ゴルフクラブで大きな大きな満月に向かってクラブを振り続けた日没後の夢の中の出来事のような映像を独りはっきり思い出していた。
静かな風の音、木々のざわめき、空気の匂い。
あの時。
宇宙の中の一つの惑星の上に立っているような不思議な感覚だった。
キンシャサ・ゴルフクラブ 17ホール グリーン方向 (写真集 ”Le Golf de Kinshasa et ses oiseaux” より) |
いつのコンペだったのかももう思い出せないが、わたしは、最終グループで和気あいあいとプレイをしていた。
いつもに増して参加者が多かったのか、あるいは何か他のコンペ開催でわたしたちのプレイ開始が遅くなったのか、わたしたちが17ホールに差しかかったときに、コンゴ川の向こうにオレンジ色の夕焼けが広がって、それから徐々に夕陽が沈んでいくと同時に暗闇が少しずつ辺りを占領していった。
ちょっと急ぎましょう。
わたしたちは、夕焼けの名残を背に受けながら、グリーンに向かった。
と、その時。
グリーンの先に真ん丸いお月様が昇っていくのが見えた。
わあああ。
お月様だ、真ん丸お月様だ。
まさに、「月は東に、日は西に」の世界だった。
わたしは、幻想的な空気の中でひたすら水平線から昇っていく満月に向かって歩いて、クラブを振り続けた。
お月様が真ん丸く水平線から顔を出し切ったとき、気がつくと夕陽は完全に陰をひそめていた。
そして、今度は大きな満月の光に照らされて、最終ホールを回りきったのだった。
あの時のお月様、水平線から真ん丸い顔を出し切ったときの大きさったらなかった!
お月様に向かってクラブを振って進んていく経験なんて、そうそうあるものではない!
あのときのことが、はっきりと体感で思い出される。
これからも、満月が来るたびに、あの時の、真ん丸お月様に向かってボールをコーン、コーンと打ち続けた日没後のキンシャサ・ゴルフクラブ17番ホールのことをしっとり神秘的な面持ちで思い出すのだろう。